異世界でも男装標準装備～性別迷子とか普通だけど～

買い取り価格

「はい、これで大丈夫です！

　それでは、私は鑑定師を連れてきますね」

「あ、くれぐれも、転ばないように…ゆっくりで良いんで」

「分かりました！」

ユウキの気遣いに元気に返したディアナ

店を出た瞬間に転んだので、無駄な気遣いとなってしまったのだった

「んじゃ、この金塊よろしくお願いします」

「おぅ、任せとけ」

そう言ってダンテは測りのような物をドンッと置いた

どうやら、金塊は重さで値段が決まるようだ

（前の世界なら、採掘した中に、どれだけ金があるか…って感じだったけど…

　ここの世界って、見た感じ不純物混じってなさそうだよな）

実際そうなのだろう、ダンテはテキパキと重さを測っていく

まぁ数が数なので、時間は必要そうだが…

「ねぇ、シーヴァ…金ってだいたいどれくらいなの？」

「俺も実物を見たのはほぼ初めてだぞ…

　よく流通しているアルミが１キロ２０００セレスだな

　まぁ売値だから、買い取り値は１キロ１５００セレス～１９００セレスだろ

　んで、次が鉄…１キロ４０００セレスぐらいだな

　次に銅が６０００セレス…銀が１００００セレス…

　金は確か…２００００セレス…あと、オリハルコンが２５０００セレスだったか…

　ミスリルとか他にも色々鉱石はあるが、だいたいそんな感じに教科書に書かれてたな」

「マジか…んじゃ、金は１キロあたり１５０００セレス～１９０００セレスで売れるのか

　これ、何キロあるのかな…？」

金額についてシーヴァとコソコソ喋っているユウキ

今、この目の前に積まれている金塊が何キロなのか

想像がつかないが、かなりの金額になると思われる

（ホント、予想外な事ばかり起こすよな、コイツは…）

「よし、重量計算は終わったぞ！」

ダンテの声に、皆が集まって来る

もう、盗み聞きするつもりは無いらしい

ココで交渉が成立したら、買い付けたい人もいるのだろう

皆興味津々に金塊の山を見ている

ミーシャとシーヴァはどうなるか…とドキドキしながら見ている

ユウキは重さ的にはどれくらいなのか気になっているようだ

「ココにある金塊の総重量は２００キロだ

　１キロあたり１５０００セレスにさせてもらう

　それは、販売価格を抑えるためだ

　総重量がスゴイからな、最低ラインのコレでも３００万セレスになるぜ」

ダンテは『どうだ？』とシーヴァとミーシャを見る

買い取り価格に不満があれば、交渉も出来るし、他の素材店に行く事も出来る

「それで良いですよ

　価格の理由は説明してもらってますし…確かに、最低ラインでも

　重量が重量だから、スゴイ金額だし」

「私も、その金額で大丈夫です

　いつも割高な旅商人が運んでくる金塊が普通でしたもの…

　たまには安く仕入れられたら、職人さんは嬉しいはずですし」

売り手の２人がOKしたので、交渉成立

ダンテはガハハと笑って

「それじゃ、交渉成立だな！

　今回は高額取引だから、換金所のカードで支払うが…

　お前達は換金所に口座はあるのか？」

「あぁ、一応貯金とかに使う用にある」

「それじゃあ、そこに入れるとするか

　２人で分けるから１５０ずつか？」

「はい、それでお願いします」

そう言って２人は腰のベルトに繋げてあるパスケースみたいな物の中から

カードを出すと、ダンテに手渡した