異世界でも男装標準装備～性別迷子とか普通だけど～

年齢不明

「ミーシャさんにシーヴァ君…今週一杯は、入学申請のため学校は休みですよ？」

「はい、そうなのですが、知り合いが入学するんです

　その知り合いが、手続きの仕方が分からないという事だったので

　付き添いです」

「まぁ、そうだったのね

　え～っと…入学するのは、そこの黒髪の子…かな？」

教師の視線がキョウヤに向けられる

キョウヤは入学するつもりだったので、頷いて答え返した

「それじゃあ、手続きを…」

「ちょ、ちょっと待って、僕も入学したいんだけど！」

キョウヤの入学手続きのみを進めようとしている教師を慌てて止めるユウキ

このままでは、本来の目的が半分しか達成されない事になってしまう

一方、呼び止められた教師はユウキを見て…

「まぁ、可愛らしい弟さんね、お兄ちゃんと一緒に入学したいだなんて

　でも、ココは１４歳からなのよ」

ニコニコと微笑みながら

まるで我儘を言う子どもを言い聞かせるように言う教師

キョウヤとシーヴァはその様子に、思い切り笑い

ミーシャも困ったような、苦笑いをしている

一方、言われてる本人…ユウキは

「僕はこれでも１４歳だよ！ちゃんと入学出来る年齢なんだね！！」

と、思いっきり主張していた

それでも、教師は本当の事だとは思っておらず

可愛い見栄を張っているんだなぁ～と微笑んでいた

「えっと…ラミア先生…ユウキ君は、本当に１４歳ですよ」

困りながら、遠慮がちに言ったミーシャの言葉に

教師…ラミアは本当に驚いたようで

「え？ミーシャさん、それは本当なの？！」

と、驚きを隠す余裕は無いらしい

ミーシャとシーヴァに本当かという、視線を向ける

２人が鑑定スキルを持っている事は、よく知られている事なので

その２人に確認をとる事は不自然ではない

「えぇ…本当にユウキ君は１４歳です」

「俺達が保証します」

２人の言葉に、ラミアは唖然だった

ユウキは確かに小さいし、年相応には見えないだろう

それは本人も自覚しているが、やはり悲しいものはある

自分以外が保証しないと、信じてもらえないのか…と

「ご、ごめんなさいね、まさか、１４歳だとは思わなくて…」

「良いですよ…よくある事なんで…」

ラミアは申し訳なさそうに謝罪した

ユウキはショックからのダメージからは回復していないものの

相手に悪気があるわけでもないので、その謝罪を受け入れた

「あははは！マジでウケるわ…いってーーー！！」

隣で大笑いしているキョウヤに蹴りを入れる事は忘れずに