お財布事情

「ま、この話は置いといて…

 入学手続きの仕方を教えて欲しいな」

「そうね…それじゃ、一緒にセルヴィア学校に行きましょう」

「あ、その前に、ギルドに依頼の報告行ってからでも良い?」

「えぇ…報告だけなら、そこまで時間かからないですし…」

「…人が多くなければ…だけどね…」

「あぁ…それは確かにな…

 まぁでも、それを待ってても、時間は余裕だから、問題ねぇよ」


4人は家を出て、まずギルドに向かう

沢山の人が行き交う中、談笑しながら歩く姿は

ただの、休日を楽しむ学生だ


「それじゃ、ちょっと報告行ってくるな」

「えぇ、私達はココで待っていますね」

「列もそんなに長くねぇし、すぐ終わるだろ」


シーヴァとミーシャはギルド内に設置されてる椅子に座り

ユウキ達が報告を終えるのを待つ

ユウキとキョウヤは列が少ない場所を選んで、順番が来るまで待つ


「それにしても…お前、一体何やってたんだ?」

「ちょっとばかし、冒険心くすぐられるところがあってね~

 そこに踏み込んで、結果こうなったんだ」

「…色々な所端折り過ぎだろ…」

「ハハハ…まぁ、一々説明する程の事でもないと思うよ

 (あ、そういえば…あの洞窟の事報告しないと…)」


そんな会話をしているうちに2人の番になった

やはり受付のお姉さんは、知らないお姉さんだった


(ギルドの受付嬢って…一体何人いるのかな…?

 ホント、今まで一度も同じ人に当たらないんだけど…)


別にお気に入りの人がいるわけではない

ただ、全然知ってる人に再会しないので、不思議には思っている


「あ、期待の新人君ですね!

 小さいから一目で分かります~!」

「…」

「アハハ」

「キョウヤ、何で笑うかな~?

 キミも小さいって言われてんだけど…?」

「お前よりは大きいから良いんだよ」

「…」


ユウキは納得いかないという表情で、キョウヤを睨む

しかし、それを気にする事なく、キョウヤは受付嬢に話しかける


「依頼の報告をしたいんだけど」

「はい、それでは、ギルドカードをお願いします」


2人はギルドカードと、カウントカードを差し出す

受付のお姉さんは慣れた手つきで確認していく


「ブラウンボア30体で…15000セレス

 スライム50体で5000セレス

 体力草30個で900セレス

 活性草30個で3600セレスですね

 合計で24500セレスです

 お金の分配はどうされますか??」

「そんなん…「あ、一まとめにキョウヤに渡して下さい」

 ちょ、お前…何言って!?」

「討伐も採集もキョウヤのが多いだろ

 それに、僕、今そこまでお金に困ってないから」

「なっ…」


今、2人のお財布事情…

キョウヤ2000セレスなのに対して

ユウキは210990セレスなのだ

こないだのキングブラウンボアの討伐も含め

様々な収入があったので、結構余裕があるのだ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る