思案

(こうやって言うために、基本全部キョウヤに任せたんだし…)

(た…確かに俺が頑張ったって言うか…ほとんどやったけど…

 だが、全部貰うのは…何か施しをされてる気分になるんだが…)

「…良いじゃん、初めての依頼頑張ったんだし

 初期投資費用だと思えば」

「…そうだな…色々揃えないとだし…」


結局、ユウキに言いくるめられて、キョウヤはお金を受け取った


(てか…キョウヤもしかして武器とか防具を店で買う予定なのか…?

 でも、何の知識も無いキョウヤがメイキングで良い性能の武器を出せる気がしない…)


ユウキが以前剣を使いたくてメイキングで出した蒼緑の剣

それは攻撃力250を誇る

メイキングは想像力が必要なため、武器に対する知識が無ければ

そんなに良い物は出来上がらないだろう


(僕は、武器の攻撃力はそこまで重要じゃねぇけど…

 キョウヤはそうも言ってられないしなぁ…)


クリティカルヒットが常時出るわけではないキョウヤは

真面目に武器の性能は死活問題だ

それなら、ユウキが作った武器を渡すという事も出来るだろうが

それをキョウヤが素直に受け取るとは考えにくい…


(ま、あの手を使えばいけそうだけど…)


ユウキはそんな事を考えながら、シーヴァとミーシャの待つところへ向かう


「あ、もう終わったんですか?早かったですねぇ~」

「うん、まぁ、そこまで多かったわけじゃないからね

 ところでさ、あの洞窟の事を報告したいと思うんだけど…

 そういうのって、ギルドで良いのかな…?」

「あぁ…そういえば、あれを報告しないわけにはいかないよな…」

「そうですね、危険もありますが、利益もありますし…

 対処さえ出来ればむしろ有益ですし…」


2人に考える事を丸投げしたユウキ

まぁ、ユウキが考えるよりも、この世界の人に決めてもらった方が

この世界の普通なのだから、当然と言えば当然だった


「とりあえず、受付嬢のリーダーにお話させてもらって

 それから、ギルド長に報告すべき事かどうかを決めてもらうのが一番ですね」

「そうだな…俺らが悩んでてもしゃーねぇわ

 よし、早速探しに行くぞ」


2人は立ち上がって、受付の方に向かう

そう、探す相手は受付嬢のリーダーだ

受付にいるはずだから、受付に行く事は間違ってなどいない

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る