学生

「この世界での食事情…例えば、野菜とか魚とか肉とかさ…

 どういう物があるのかっていう把握してねぇし…」

「だって、普通にドロップアイテム鑑定したら

 食べれるとか食べれないとか出てくるし…」

「いや、だから、野菜とか魚とかは、ドロップしねぇから

 未だあるかどうかすら分からねぇんだろ!」

「…まぁ、確かに…」


普通にサンドイッチ的な物にキャベツのような物は挟まっていた事はある

なので、多分野菜もあるだろう…という予想はしている

ただ、確認はとっていないので、どうなっているのかは分からない


「野菜って…ピーマとかナースとかの事か?」

「…(ピーマ、ナース…って…)」

「…(それは、野菜なのか??)」


シーヴァの口から出てきた、野菜と思われる物の名前に首を傾げる2人

聞き覚えは無い事は無いが…

それが想像している物と一緒とは限らない

故に、首を傾げるしかない


「ピーマは緑色の野菜で、少し苦味がありまして…

 特に子どもの中では苦手野菜として、定着しています」

「…僕の世界にある、ピーマンと似てそうだけど…」

「それなら、入学手続きをした後で、食材売り場に一緒に行ってみますか??」

「そうだな、生憎今はバッグが無いから、伝える事は出来んが

 食材売り場に行けば、あるだろ」

「じゃあ、それでお願いしようかな」

「あぁ、頼む

 って、入学手続きって何の話なんだ??」


再びキョウヤは首をかしげる

ユウキの前までの話では、学校とやらに行く予定は無い事になっていた

そのように記憶しているが…


「キョウヤ、僕学校に行く事にしたんだ

 やっぱり、この世界の教養が無いと困るじゃん?」

「別に、学校に行くのは構わないが、学費とかはどうするんだ?」

「それがさ、この世界では、学費はいらないんだって

 貧困層が学校に行けないのは

 子どもを労働力としているからであって

 学校にお金がかかるからでは無いらしいんだ…」

「そうなのか…」


ユウキの説明にキョウヤは納得した

ココの学校がどういうものかは分からないが

お金がかからない以上は、特に大きな支出にはなりえない

ならば、知識を得るために行くのも悪くは無い

しかし、まだ問題はある


「だが、生活に必要な物はどうするんだ?

 今は肉類ならあるが、野菜とか…必要な物買っていってたら

 いくらお金があっても足りないだろ?」

「あら、それは大丈夫よ

 放課後や休日に、冒険活動は許されているし

 自分で作った物を販売する事も認められているのよ

 まぁ、冒険活動の方は、ギルドに登録する事は認められていないけど…

 ユウキ君は既に登録しているし…生活状況によって、多少考慮してもらえるはず…

 ちなみに普通学生は、ギルドにある依頼を受ける…事は出来ないけれど

 例えば、討伐の依頼であれば

 先にカウントカードをもらって、討伐をする

 そして、依頼のカードとカウントカードを一緒にカウンターに持っていく…

 そこで、依頼達成として報酬がもらえるわ

 採集などは、先に用意しておけば、学生の場合は

 ギルドに登録していなくても、依頼を完了する事が出来るわ」

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