目覚まし時計

(目覚ましの音量は通常の2倍だ!これで起きなきゃ放っていくぞ)


目覚まし時計が今示している時刻が10:10なので

少し先に目覚ましの針をセットする

そして、キョウヤの枕元に置き、ユウキも部屋から出る


「お前、一体何出したんだ?

 しかも、今何も無い所から出てきたよな!?

 魔法か?魔法なのか!!?」


部屋から出て待ち構えていたのはシーヴァだった

ちなみに、気になるのか、ミーシャもすぐ後ろにいる


(…ま、説明してもいっか…)


前の世界の話も、神様にあった事も、神様スキルも全て知っている2人

今更メイキングの事なんて、大した事もない


「さっきのがメイキングだよ

 僕がイメージした物を作り出す事が出来るんだ

 で、出した物が…」


ジリリリリリリリリリリ!!!!!!!!!!


「「!!!?」」

「お、鳴りだした鳴りだした」


2人はいきなり鳴りだした大きな音に耳を塞ぐ

この甲高い音は、近くにいればいる程大きく聞こえる

ちなみに余談だが、この音は外に漏れたりしない

空間を作るために、魔力で覆われているからだ


「な、なんだよ…この音ッ!!?」

「耳が痛くなりそうだわ…」

「まぁ、目覚ましの本領発揮する場所やし…

 音量も普通の2倍設定だしな!」

「その目覚まし時計って言うのが何なんだよ!?」

「え?この世界に目覚まし時計って無いの!!?」


シーヴァの言葉にユウキはショックを隠せない

しかし、時計を売っていた店の中を思い返してみる

壁掛け時計や、置時計は沢山あったが

目覚ましという機能がついた時計は見つけられなかった

その時は、ただ単に、その店の品ぞろえ的な問題だと思っていたのだが…


「だから、目覚ましって、どういう物なんだよ!!?」

「マジでか…えーっと、音で寝ている状態から起こす物…って感じやけど…」

「え…だいたい皆が起きる時間には目が覚めませんか?」

「(あぁ…そっか…ココは時間余裕があるから、十分に寝れるんだろうなぁ…)

 まぁ、ココでは必要ないか…」


ココの住人は基本的に8時間程寝れば大丈夫なのである

そして、ココの世界の活動時間が朝10時くらいからが普通の活動時間になる

例えば深夜0時に寝ても10時には余裕で間に合うのだ

寝坊という概念がこの世界にあるかどうかは分からないが

目覚ましが不要という事を考えたら、無いかもしれない

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