一般常識を学ぼう

この世界での食事情

「とりあえず、僕の家で良いか…」


イメージをすれば何処にでも行けるわけだが

ギルドなどにいきなり現れたら、かなり悪目立ちするだろう

ただでさえ、ユウキは目立っているのだから…


(とりあえず、ダイニングキッチンでいっか)


ユウキは自分の家にある、ダイニングキッチンをイメージする


「あ、2人とも僕の何処かに触れて」


そう言われ、2人は戸惑いながらもユウキの肩に手を置く

帰還ゲートという物は良く使うが、転送魔法は初めてらしい

どうなるのか…という不安が垣間見える


「んじゃ、行くよ…転送魔法発動!」


目を開けていられない程の光が辺りを照らす

そして、光が収まった時には、ユウキの光魔法も消え

ただの真っ暗闇が広がった


(眩しい…俺は今何処にいるんだ!?)

(一体、今どうなってるの?!)

(この発光何とかならねぇかなぁ…)


初めての事に慌てる2人と、眩しい事を何とかしたいユウキ

しかし、口に出していないので、相手に知られる事は無い

光は次第に収まり、3人はゆっくり目を開けた


「こ…ココは…何処だ?」

「キッチンがありますから…何処かのお店かしら?」

「いや、ココは僕の家だよ」

「ユウキ君の!!?

 ユウキ君は飲食店をしているの??」

「んにゃ、飲食店じゃないよ

 (まぁ、食べ物は売ろうと画策してるけども…)」

「はぁ!!?じゃあ、何でキッチンなんてあるんだよ?」


シーヴァは『何でだ…』という視線を思い切りぶつけてくる

ユウキからすると、家にキッチンがある事は普通なのだが…

こちらでは、調理設備があるのは飲食店であって

普通の家にはキッチンなど無いのが普通なのだ

しかし、ユウキはその事実を知らないので

シーヴァの視線に首を傾げる


「いや、普通に家でも料理するだろ?」

「しねぇよ!!

 それこそ、お屋敷レベルの家ならあるだろーけど…

 普通の家にはねぇよ…」

「え?そうなの??!

 じゃあ、ご飯どうすんだよ!?」

「普通に飲食店で食べますけど…」


ミーシャも、この発言は予想外だったようで、目を丸くして驚いてる

ユウキはユウキで、自炊する事が無いという事に驚く


(え…あのご飯ばっか食べるの…?

 え、ぜーーーーーーーーーーーったい無理!!!)


脳内でこの世界で食べてきた料理を思い出す

あれを延々と食べる…という事は考えられない

というより、考えたくもない

まぁ、この世界の人なのだから、あの味に慣れているのだろう

特に不満に思う所も無いから、商売としても成り立っているのだ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る