魔法の存在感

「どうしましょう…私たちがいるココを、知らせるなんて…」

「そんな伝達系の魔法誰が持ってんだよ…」


2人してズーンと沈む

このまま助けを大人しく待つしかないという結論に至っているようだ

しかし、こんな場所を見つけてもらうのは、かなり難しい

あの穴は活性草を全部取り尽した事で発見出来たものだ

ココに入ってからどれくらいの時間経ったかは知らないが

おそらく何本かは生えてきているだろう

そして、活性草という名の通り急速に成長するだろう

そうなると、ココへの道を発見してもらう事は更に困難になる

それこそ、誰かにココにいる事を伝えない限り

発見されないまま…という事も十分に考えられる


「そんな…ココで死んじゃうの!?」

「何か方法があるはずだ…考えよう…」

「っていうか、転送魔法で出たら良いじゃん」


この場所に落ちた瞬間から、出る方法は転送魔法と決めていたユウキ

まぁ、ユウキの持つ魔法の中で脱出に使えそうなのは

転送魔法くらいなのだが…

まぁ、風魔法で浮上するというのも手だが…


(結構時間かかったから、キョウヤが起きてるかもしれないからな…

 僕もさっさと家に帰りたいし…)


一番自宅に手っ取り早く着く方法は、転送魔法しかない…


「お前な…転送魔法なんてレアものの魔法なんて早々あるわけないだろ」

「そうですよ…何のために帰還ゲートがあると思ってるんですか…」

(…あれ?2人とも僕のステータス見たんだよな…?

 何で転送魔法あるのに気が付いてねぇんだ?)

「確かにお前は、色んな魔法持ってるよ…

 えーっと…水・火・氷・雷・光・木・土・闇・風・ヒール・異常回復・浄化・消去

時間停止・転送……ぇ?転送!!!?

てか、時間停止と転送の同時持ちとか!!?」

「魔法が異常に多いとは思いましたけど…神様スキルと才能に目を奪われて

 魔法を全部見ていませんでした…そこも規格外なのですね…」

「(なるほど…魔法に行く前に、神様スキルと才能に注目が集まってたんだな…)

 …とりあえず、これで出れるだろ」


2人の反応を見て、ユウキの疑問は晴れ

改めて、転送魔法の提案をする


「そうだな、これで、こんな所に長居せずに済む」

「そうよね…危うく、一生この場所にいる事になる所だったわ…」

(冒険してるわりに、ツメが甘いよね…)


まぁ、転送魔法などは、習得できる人が少ないので、仕方ないが

少なくとも、帰還ゲートが入っているリュックを置き去りにしてしまったのは

とんでもない悪手だっただろう

それでも、ユウキが助けていなければ、生命自体が危機だったわけだが…

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