ユウキの分かりやすさ

「多分、これも知らねぇだろうから教えておいてやる

 魔獣は、基本的に魔力が集まって自然発生する物だ

 しかし、ココは魔力が溜まっているのに魔獣がいない

 という事は、この魔力が先程の罠に使われているという事だ」

「マジで!!!?魔力が溜まって魔獣が生まれるのか!!?」

「…何で魔獣が生まれると思ってたんだ?」

「そりゃ…普通の生命維持活動的なもので…」

「…言っとくけど、魔獣に性別はねぇからな」

「マジかよ!!?」

「ホント、ユウキ君は何も知らないのね~」


一々大きく反応するユウキに2人は呆れる

多分、ココでは常識なのだろう

つまりは、図書館で調べればわかる事なのだけれど

そもそも、魔獣の誕生に魔力が関係してるという発想が無かった

魔力が普通にあちこちに漂ってるとも思っていなかったのだ

気付くわけがない…調べるわけがない…知ってるわけがない


(…真面目に、コッチの友達的なものでも作らないとか…)


今はキョウヤという友達的なものはいるが

生憎、故郷は同じなのだ

ココの常識なんて、ユウキ同様知らない


(学校がどんな所かも調べてみるか…)


何かを学ぶなら学校だ

その学校がどんな仕組みかは分からないので

それを調べる所からだが…


「お前、14なんだったら、学校入った方が良いんじゃね?

 丁度学校に入れる歳だし、何より入学式が1週間後だ」

「(あれ?学校に入れるのも14からなのか?)

 いや…でも、僕は親がいないから、お金とか色々…」

「あの、ユウキ君…もしかして…学校にお金が必要と思ってます?」

「え?お金いるんじゃないの?」


貧乏=学校行けずにギルドに登録する…

という事は、学校はお金がかかるとユウキの中で、勝手に決定されていた

しかし、どうやら違うようだ


「お前…そんなに早くに親を亡くしていたのか?

 いやでも…そうだったら、孤児院にいくはずだし…

 そしたら、そこで一般的な事は教えて貰うはずだし…」

「そうですわね…家が貧困でも…これは…」


2人はジロジロとユウキを見る

一方、ユウキはどうなるのかと、冷や冷やしている

まぁ、武力的な事にはならないのは確実だ


「お前、何か隠してる事あるだろ」


シーヴァの一言に、ギクッと肩が震えるユウキ

明らかな反応に2人はやっぱり…と頷き合う

何度も言うが、ユウキは分かりやすい

それでもキョウヤにバレないのは、キョウヤがユウキを見ていないからである

普通に見れば、初対面の人でさえ分かってしまう

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