危機は突然に…

(…僕だけだったら、もっと一杯依頼受けてたけどね

 でも、こうやってのんびりするのも悪くない…)


空を見上げれば、前の世界と同じ青空が広がっている

空だけ見ていれば、ココは前の世界なのではないかと思えてしまうくらいに


(ったく、結局コイツの考えてた通りに事が進んでるよな…

 …多分、コイツ一人なら…もっと一杯色んな依頼が受けれたんだろうな…

 って、んな事考えるなんて俺らしくねぇ!!)


頭を振って、自分の弱弱しい考えを振り払うキョウヤ

ふとユウキの方を見ると、ボーっと空を眺めている


(…コイツ、男のくせに綺麗な顔立ちしてるよな…

 まぁ、俺もだけどな…ッ!!?この感じは!?)


キョウヤの中で一瞬走った寒気

というか、悪寒

急いで辺りを見回すと、丁度ユウキの後ろにある茂みがガサガサと揺れている


(あそこか!!つまり、狙いはアイツ…)


一方のユウキはボーっとしているためか、気付いている様子は無い


「(何でも凄いのに、こういう事には鈍いのか!!?

 いや…こういう環境に無かっただけなのか?!)

 あぶねぇ!!!」

「ッ!!?」

「見つけましたわぁぁ!!!」


茂みの中から勢いよく飛び出してくる人

しかし、その人が狙っていた人物はそこにおらず、ただ手が空を切る

一方狙われていた人…ユウキは、少し横に離れた所にキョウヤと共に倒れていた


(ぇ?今一体何が起きたんだ?)


ボーっとしていたユウキは何が起きたのか一瞬理解が出来ず混乱した


(な、何とか間に合った…けど…)


必死にユウキの危機を救ったキョウヤだが

現状を見て固まる


((何、この状況…))


2人の指すこの状況…とは、ユウキがキョウヤに押し倒されている…

という状況である


(女の子ならいいんだけど、何で男相手に…

 まぁ、コイツが中性的な顔なのが気持ち的に救いだけど…)

(何でこんな状況になってるんだ?)


ユウキは気が付いたらこの状況だったので

どういう経緯があったのかが全く理解出来ていない


「あぁぁぁぁぁっ!!!!

 わたくしのユウキ様…もしや、そちらの方と…ッ…」

(ん?どっかで聞いた声やな…)

「俺が男とそんな関係になるわけないだろ!!!!」

「あら、それでは、わたくしのユウキ様を返して下さいな」

「はっ…お前…コイツは物じゃねぇっての!

 (こういう変態みたいなやつはロクなやつじゃねぇ)」


前の世界で何か色々あったらしいキョウヤ

こういう人に対するセンサーが発達しているらしい

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