実証

「邪魔すんなよ!俺一人で倒せる!」

「そりゃー倒せるだろうけどな!

 1匹に対して9回も攻撃しなきゃいけないんだぞ!

 ふざけんな!!この大群相手にそんなんしてたら日が暮れるわ!!!」

「な、何で9回も攻撃しなきゃいけないって分かるんだよ!!?」

「だから、ちゃんと鑑定しろって言っただろ!!

 ブラウンボアのHPは100なんだよ!

 12そこらの攻撃じゃ9回は攻撃が必要だ!」

「うっ…(1匹に対して9発も攻撃してたら…確かにこの大群は…)」


キョウヤは目の前に迫る大群を見る

数はおおよそ60くらいだろう…


(くそ…討伐数だけ倒してしまおうと思ってたのに…)


別に全部を倒さなくても良い

だから、こんな大群に突っ込んだのだ

まさか1体攻撃したら、全員からターゲットにされるとは思ってもいなかった


「だから僕も狩る

 自分の身くらい自分で守れよ」

「当たり前だろ!!

 俺の方が一杯倒してやるぜ!(コイツだって、絶対1発じゃ倒せねぇし)」

「いや、それは無理(絶対に…)」

「分からねぇだろ!!」


キョウヤの頭では自分が与えたダメージに×4した数値が弾き出されている

まぁ、つまりは48くらいのダメージを与えられると思っている

勿論そんなわけは無いのだが、ユウキのバトルを見ていないし

自分の数値が基準なのは仕方のない事だ

ユウキだって、自分の数値を基準に考えていたのだから…


「さっさと片付けて次いくよ」


ユウキは目の前にいたブラウンボアにパンチを一発

数日振りに素手で戦うユウキ

剣装備に比べたら数値は落ちるが…


「はぁ!!?何だよ、その400って数値は!!?」


予想の遥か9倍ほどの数字にキョウヤは驚くしかなかった


「何だよって言われても、僕の攻撃力は500

 んで、ブラウンボアの防御は100…つまり400みたいな?」

「いや、俺攻撃力200だけど100って数字にならねぇけど!!?」

「うん…まぁ、それを見て、正直僕も驚いてるんだけどね

 検証した結果、攻撃する位置や力の入り加減で数値が変わる事が分かったんだ」

「何だそれ!!?意味分からん!!」

「いや、つまり…」


ユウキは突進してくるブラウンボアを避ける

ちなみに、レベルが高いユウキの方が危険と認識しているのか

ブラウンボアのターゲットはユウキに変わっていた


「例えば鼻先に軽くゲンコツする感じで攻撃すると…」


避けたブラウンボアが振り返った時を狙って攻撃する

数値は100と出てきた

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