覚悟(キョウヤside)

「ん?僕はフリーだよ」

「何でだよ…」

「ジョブについたら、スキルを獲得しやすくなる…ってだけ

 僕らは多趣味と天才児の才能があるから

 ジョブを選ぶ事に、メリットが無かったからかな

 お、丁度いいな」


アイツは湯加減を確認して、魔石という物に触れてお湯を止める

あれに触れたら、色々な事が出来るようだ

これから少しずつ覚えていかないとな…


「んじゃ、先に入りなよ

 僕は後で良いよ」

「なんだ、一緒に入らないのか?」

「入らねぇよ!人と入るとゆっくり出来ねぇだろ」

「ふ~ん、そんなもんか…」


ココではそんな感じがするんだけどな

というか、アイツは結構ノリでやり切ってる感があるから

こういうのもノッて来るかと思っていたんだが…

とりあえず、風呂に入る事にするか


~十数分後~


良い湯加減だった

あの石には、魔力を込めながら触れたら良い事が鑑定で分かった

さてと、アイツに上がった事伝えないとな


「♪~」

「お、あっちかな」


声がするドアをノックしてみる…

返事が無い…

しかし、声は確実にこのドアの向こうだ

仕方ない、ドアを開けると何に使うのか分からない道具が一杯あった

その部屋の奥にアイツがいた


「おい」

「にゃぁっ!!?」

「『にゃぁ』って、お前はネコか」

「び、ビックリしたんだから、仕方ねぇだろ!!

 急に入って来るなよ!というか、急に声かけんな!」

「じゃあ、肩を叩けば良かったのか?」

「いや、それも驚くから!!」

「じゃあ、どうしろってんだよ…」

「ノックとかあるだろ!!」

「ノックしても反応しなかったのはお前だろ」

「…うん、それはゴメン…」


散々文句を言って最後は謝った

まぁ当たり前だろ…俺は普通にしただけなんだからな

てか、これは…


「何作ってるんだ?」

「これはポーションだよ

 作って売る事が出来るんだ」

「ふ~ん…

 ところで、ココではギルドに登録すれば生きていけるんだよな?」

「あぁ、極論そうだな」

「じゃあ、俺もギルドに登録する」

「そうだな、それが一番だと思うぞ

 まぁ、僕が稼いで、キミは学校に行くという手もあるけどな」

「はぁ!?何で同い年なのに、俺は学校に行かなきゃならないんだよ!」


屈辱過ぎるだろ!

コイツは働いてるのに、俺は呑気に学校とか!!!


「いや、僕らの年齢はまだ学校で学ぶ年齢だからな

 貧しい所の子はそうもいかず、ギルドで登録するらしいが」

「…それって、俺がお前の世話になるって事だろ?

 ぜーーーーってぇ嫌だ」

「ですよねー」


当たり前だ!何でそこまで世話されなきゃならねぇんだ!


「んで、どんな仕事したい?

 こうやって生産するっていう手もあるけど

 キョウヤ、魔獣と戦うの嫌でしょ?」

「は?何言ってんだよ…面倒なだけで嫌じゃねぇよ

 俺も魔獣倒して稼ぐに決まってるだろ!」


コイツがバトルで頑張ってるのに、俺だけ安全な所で仕事とか

負けた気分になるじゃん!!


「…そう…まぁ、無理しない程度にね

 戦う前に、相手を鑑定してしっかりステータス見るんだよ?」

「俺は子どもじゃねえよ!」

「いや、子どもだろ…」

「お前もな!!!」

「せやな…」


くそ…確かに今は子どもだ…

ってか、同い年の奴に心配されるって…俺はそんなに弱くねぇ!!

…と思う…

あぁ…知識面では、心配の塊のような気がする…


「よし、これで終わり」


会話をしている間に、作業は終わったらしい


「じゃ、僕もお風呂入ってくるわ」


そう言って、アイツは部屋を出て行った

俺はどうしようか…

やる事ねぇし…寝るか…

昼寝をしたにも関わらず、まだ眠い

今日は情報が多すぎたんだ仕方ない

とにかく、この世界で頑張るしかねぇ…と思いました。


キョウヤside~終~

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