宣伝

「良い所を取ったね~

 それじゃあ、1000セシル、依頼達成のお金から引いておくわね」

「はーい」

「ポーション【傑作】10個

 1つ120セシルで買い取らせてもらうわ

 差し引き200セシル渡すわね」


シェイルから200セシルを受け取り

ユウキは、早速自分のスペースとなった場所に薬を並べる

もちろん、効果転写の紙も一緒に


「それじゃ、分からない事があれば、いつでも聞いてね」

「はーい」


シェイルはそう言い残すと、部屋から退室した

ユウキは、ポーション【傑作】とマナポーション【傑作】

睡眠薬【傑作】と麻痺毒【傑作】を店に並べ

値段設定は面倒なので、自動設定のままでいく


「んぁ?店名決めないといけないのか…

 んじゃ『フリーウィング』って事で

 意味は、自由に物売りたいから、フリー!

 んで、なんとなく自由に翼は付きものだと思うから、ウィング!」


フリーマーケットスペースから、出てきたユウキ

その目に飛び込んで来たのは、人の山だった


(あぁ、そうだ、ココはお店だったよな

 それも、ラーグ通りにある、冒険者向けの消耗品売り場…

 そりゃ、こんなに人も来るわな)


ラルクもシェイルも忙しそうにしているので

ユウキは邪魔をしないように、部屋の隅を通り出口を目指す


「おい!まだ、ポーション【傑作】は残ってるのか!?」

「ポーション【傑作】なんて、希少じゃない!私も見てみたいわ!」

「俺のHP的には、ポーション【傑作】が丁度いいんだよ」

(…あれ?原因僕的な?)


そんな事を一瞬思ったが気にしない方向で行く


(だって、ラルクさんが、宣伝で広めたのかもしれないし…

 さて、僕は帰って夕飯を考えるか)


ユウキが呑気に部屋の隅を歩いている事にシェイルは気付き


「ココにはポーション【傑作】は10個しか置いてないよ

 でも、隣のフリーマーケットスペースには、まだまだ置いてあるから

 そちらも利用しとくれ」


そのシェイルの言葉を聞いて、人だかりがフリーマーケットスペースに流れている


「…あんだけ沢山いた人が、全部ポーション【傑作】目当てとか…

 マジかよ…」

「まぁ、傑作なんて珍しいからね、あぁなる事も予想済みだよ

 うちとしては、良い宣伝になるから、大助かりさ」

「だよな…宣伝したんだよな…

 じゃなきゃ、こんな数十分でこんなに人集まらないよ」

「まぁ、キミの商品を宣伝してるも同義なんだから、良いじゃないか

 今日はもう帰るのかい?」

「うん、商品は置けたし…今日はもう帰って夕ご飯でも作るよ」

「おや、自炊なんて珍しいねぇ」


そう、この世界では、自炊という事はあまりしない

まぁ、スキルが無ければ、簡単な調理しか出来ない

となると、調理スキルを持ってる料理人が作った料理の方が美味しい

それを食べるのが普通…というものだ

余程貧乏でも無い限り、1日3食外食だ

お店の店番がある人もいるので、持ち帰りも出来る

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