効果転写

「お待たせしました…って、まぁ小さい冒険者さんねぇ」

「…コレ、お願いします」


お姉さんの一言に返す気力も無く、依頼の紙とギルドカードを渡す


「はい、手続き出来ましたよ」


1件だけだったので、一瞬で手続きは終わった

正式に依頼を受けたので、ユウキはシェイルの所に向かう


「はい、受けてきたよ」

「あら、ありがとう!

 それじゃあ、お店の方に来てもらえる?」


ただのポーション依頼のみだったら、ココで済ませてしまう事も可能だが

ユウキの場合はフリーマーケットスペースの件もある

そのため、店に行く

シェイルのお店はギルドから近く、ラーグ通りに面している


「うわぁ…ココって、お店構えるのに、場所代いるんだよね…」

「そうなのよ…でも、集客はとても良いわよ」


冒険者向けの道具屋なら、それはかなり需要があるだろう

そんな事を考えていると、すぐにお店に到着する


「いらっしゃいませ

 ココが、私達のお店『ボックス』よ」


ユウキは予想以上に大きいお店に、少し驚きながらも

シェイルの後について、店内に入る


「いらっしゃいませ…

 おや、シェイルお帰り、募集の方は無事にかけれたかい?」


癖っ毛のある優しそうな男性が、シェイルに話しかける

多分、ユウキは小さくて目に入っていないのだろう

というか、シェイルの後をついて行ってるので

確実に見えていないのだろう


「えぇ、順調よラルク

 この子がフリーマーケットスペースに興味を持ってね来てくれたわ」

「この子…って、まだ、子どもじゃないか…

 そんな子が売れる物なんてあるのかい?」


ラルクが言う事も最もである

ユウキはこの世界ではまだまだ子ども

というか、子どもにされたのだけど…

その疑問は至極当然だった


「ポーションを自作出来るそうよ」

「ほぅ…まぁ、品質は低くても、需要はあるからね、ポーションは

 じゃあ、早速、依頼のポーションを先に頂こうかな?」


ラルクにそう言われ、ユウキはポーションを10個インベントリから出す


「さて、品質はどれくらいかな…

 効果転写!」

(品質…あんま意識してなかったけど…

 でもHP50回復するって書いてあったような…)


ラルクは、ポーションの横に紙を置いて、スキルを発動する

ちなみに、このスキルは販売をしている人なら

誰でも持っているスキルである

それは、武器・防具・薬など、効果が分からなければ売れないからだ

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