才能とスキル

「そりゃさ…なんか、視界が低いとは思ったよ…

 嫌な予感してたけどさ…マジでふざけんなよ…」


ブツブツ文句を言いながら10分程で、復活してきた

落ち込んでいても仕方ないと気を取り直し、残りのステータスを見る

自分のステータスを把握していないと、この世界では困るだろう

身長と体重と年齢のみ把握していても、この先やっていけるはずがない


「ん~…冒険者か…面白そうな職業だな!」


この世界の職業事情がどうなっているかは知らないが

ユウキにとっては、冒険者という響きは、とても魅力的だった


(だって、自分の知らない所に、あっちこっち行くってワクワクするだろ)


基本的に慎重なユウキだが、新しい事などについては好奇心旺盛だ

いや、才能に好奇心があるから…では無く

元々、新しい事をするのが好きなのだ


「んで、職業の次は…

 才能か…多趣味って、確かに多趣味だけど…そのまんまじゃねぇか…

 何だよ、普通じゃん…」


才能と言うからには、凄い物を想像していたユウキは

多趣味という文字にガッカリ感を隠せなかった

元々多趣味だったのだから、確かに才能っちゃ才能なのかもしれないが…

ステータスに表記されるような物では無いように思う

というか、さっきから才能に書かれている事が

才能という特別な感じがしない

ため息をつきながら、多趣味の文字をスッと指でなぞると


◇多趣味◇

戦闘職業から生産職業まで、全てのスキルを使いこなす事が出来る


「おぉ!これは説明か!

 なるほど、つまり、何でも出来るって事か!

 それは、楽しそうな才能だな」


どうやら、説明は文字をなぞると出てくるらしい

その説明を見て、先程とは打って変わって、テンションは上がっていく

普通に趣味が多い事かと思えば

全てのスキルが使いこなせるとか…

つまり、出来ない事が無い…という事だ


「あとは、好奇心・天才児・運動神経抜群…か

 天才児と運動神経抜群は何となくイメージつくけど

 好奇心が才能って、どういう事だ?」


説明を見るべく先程と同じように文字をなぞると、説明が出てくる


◇好奇心◇

あらゆる事に興味を持ちやすくなる

スキルを手に入れやすくなる


◇天才児◇

あらゆる事を素早く学習し、また創造力も豊か

スキルの熟練度が、かなり早く上がる


◇運動神経抜群◇

全ての身体能力を最大限に生かせる


「なるほど…つまり、好奇心があれば、初めてのスキルをすぐに手に入れられる

 天才児によって、熟練度がすぐに上がる

 運動神経抜群によって、身体能力が向上してる…ってとこかな」


つまり、この才能があれば

全てのスキルを習得でき、しかも習得できるスピードは普通より早く

スキルの熟練度も上がりやすいという、超ハイスピード成長が出来るという事だ

そして、身体能力が向上している事で、きっとバトルで動きやすくなるのだろう


「(うわぁ~…この超便利じゃん♪)

 んで、次はスキル…インベントリ・鑑定眼・メイキングねぇ…」


一通り才能を把握し終え、次の項目に移る

説明文を出すために、その文字をなぞっていく


◇インベントリ◇

生物以外何でも収納可能

上限は無く、取り出す時はカバンに手を当てるとリストが出てくるので

出したい物を選択する


◇鑑定眼◇

あらゆる物の名前を知り、効果などを知る事が出来る

また、人のステータスを見る事が出来る

使用時には「鑑定」と言うか、心の中で唱える


◇メイキング◇

様々な物を作る事が出来る

使う主の魔力を消費し、主のイメージを元に作り上げる

使用時には「メイキング」と言うか、心の中で唱える


「へぇ…なるほど、このウェストポーチがインベントリなのか」


試しに、ウェストポーチに手を当ててみると

ステータスのように透明な板が現れた

ただ、何も入っていないので、リストには何も書かれていない


「ま、そりゃそっか

 っと、鑑定眼を使うには…その辺の物鑑定してみるか」


早速鑑定してみるべく

ユウキは、その辺に生えていた草を引っこ抜く

初めて見る草で、木の葉っぱが地面から生えているような形をしている

ちなみに、色はオレンジで、その辺に一杯生えている

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