神様が世界を新しく創り変えたようです。

ケンマン

零章「序章の序章」 1

 ────物語というのは主人公が居ないと成り立たないだろうか?


 突然の質問ですまない。今、私は名を名乗れない状況にある為、自己紹介が出来ない。けれど、身分の分からない私の質問に考えてみてほしい。

 主人公の居ない物語とは果たして、どういうものだろうか、君が好きな作品で想像してもらって構わない。

 結果、君の好きな作品の主人公はどうだっただろう?

 やはり物語には重要な役割を持っていて、最初と最後でかなりの成長をしていると思う。

そういった、とても大事な立ち位置の人物が存在していないということがあるのなら、それは非常に不味いことだ。

 皆が知っている作品にはそれぞれ好きな作品があっただろう、その作品には必ずと言っていいほど主人公が存在する。

 その主人公は、世界を救ったかもしれないし、希望の未来を掴んだかもしれない。

 しかし、その主人公が居なければ、かなりの確率で対立したラスボス側が勝利して、物語は最悪の結末を迎えただろう。

 それでもここで異を唱えるならば、主人公が居なければもっと良い結末を迎えた、あるいは、誰か他のキャラが主人公の代役を務めていただろうと。

 前者は主人公が悪役であった場合や、主人公にならなければ犠牲を出さずに済んだという場合だ。主人公が悪役ならば、最悪の世界が最も良い結末だろう。犠牲が出てしまったとして主人公が居なければ救われない人も居たということにもなるわけだ。

そして後者、主人公とはその物語で最も理想的な人材であり、他のキャラが主人公になったところでそれは、二次創作であり並行世界だ。それは全く別物の物語であり、両方が主人公であったという稀なパターンだ。主人公が必ず必要ということは変わらず、両方居なければ救われない物語だった、ということに他ならない。

 他にも、コメディ色の強い作品では主人公という概念はそこまで影響はしないが、それでも成長っぷりや作者の伝えたい事は他のキャラよりも読者に伝わっていると思う。

 では何故この話を最初にしたのか、ここまで読んでくれた方は何となく察するかもしれない。

 話の流れで当然なのだが『この物語には"主人公"が居ない』

主人公が存在しないのではなく、この場合はまだ決まっていないという意味合いだ。

 つまり、この物語において誰が主人公であるのか、それを悩んでみてほしいというのが私からのお願いだ。

 様々な視点から繰り広げられる物語、幾多の交差し合う主人公候補達、それぞれの願いが絡み合う。主人公候補といえど、それぞれにラスボスや黒幕が居るかもしれないが、それら全ては私もまだ知らないのであった……

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