第5話人間誰しも一度位は軽い考えで挑んで痛い目に遭う。そうして大人に成長するもんだ

ロー師匠のもとで日課の修行中。先日の森近くでの事がローにも知られていたらしく、今日はいつにもまして厳しい。



「セリム、そろそろ休憩にするぞ」


「分かりました。」



家の中に入りお茶を飲む。そこで俺は、この前の事件の事で気になっていたのを思い出し訪ねてみた。



「ローさん、魂とは何なんですか?」


「どうしたんだ? そんな急に学者みたいなこと言って」



そういってローさんは笑っていた。まぁそれも仕方ないだろう。突然魂云々なんて聞かれても普通は困るだろうから。だが、このままではただの雑談として流されてしまうと思ったセリムは、先日の事をかいつまんで話した。



「成程なぁ。確かに新しいスキルが増えてるな」



鑑定スキルを使いスキルの確認を行うローさん。



「俺もそんなに詳しいことは言えないが、スキルを習得出来たのは多分…だが、スキルが魂に刻まれているもんだからかもな。昔どっかで聞いたんだか、読んだんだか…曖昧だがそれに加え、ステータスってのは肉体に付随するものだからその差かもな」



「そういうもんですかね」



そんな会話をしながら時は過ぎ、修行を再開する時間になった。






夕方より数時間前。まだ空が青い時間帯に今日の修行が終わりお礼を言って帰ろうとするが、そこでローが神妙な面持ちで話しかけてくる。



「セリム、考えたんだか、お前のそのスキルはかなり厄介かもしれない。スキルを奪うスキル。そんなのは初めてだ聞くが、実際にあるんだから信じるしかない。出来れば早めに隠蔽系のスキルを習得した方がいい。俺みたいに鑑定のスキルを持っていればスキルの効果は分かんないまでも名前はわかる。もし鑑定の上位スキル"解析"を持つ者が見れば間違いなく効果まで見ることが出来る。だから、少なくても鑑定を防げるスキル、隠蔽は早々に身に着けるべきだな」



「分かりました」



挨拶をし帰る。家へは向かわず森に行く。時間的にはまだ余裕だ。あんなに深刻に話されるとかなり真剣に考えなければと思う。


隠蔽スキルを持っているのがどのモンスターなのか鑑定スキルを持たない為に分からないがとりあえず出会ったモンスターを片っ端から狩ればスキルが手に入るし、いつかは手に入るだろうと思っていた。






そんな時期が俺にもありました。



「全然でねーよ」



森の中だと言うのにイライラしてつい叫んでしまった。それも無理ないだろう。だって出てくるモンスターゴブリンだけなんだもん。おかげで色々上がったけどさ。




名前 セリム・ヴェルグ

種族 :人族

年齢 :5歳

レベル :3→10

体力 :40→140

魔力 :15→90

筋力 :28→115

敏捷 :7→20

耐性 :5→18


スキル

神喰ゴッドイーター LV1

剣技 LV2  up

纏衣まとい LV4 up

筋力強化 LV2 up

拳技  LV1 new

命中率上昇  Lv1 new




こんな感じで色々な種類のゴブリンと戦ったおかげで結構上がった。さすがに何回も来ているとアナウンスにも慣れて一々開示などはしなくなった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



・ゴブリンファイター

レベル :3

体力 :48

魔力 :2

筋力 :30

敏捷 :15

耐性 :4



スキル

剣技  Lv1



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



・ゴブリン・アーチャー

レベル :3

体力 :23

魔力 :8

筋力 :15

敏捷 :19

耐性 :8



スキル

命中率上昇  Lv1



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



・ゴブリンモンク

レベル :5

体力 :45

魔力 :4

筋力 :38

敏捷 :24

耐性 :7



スキル

拳技  Lv1




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



これが新たに倒し吸収したモンスターだ。ひたすらゴブリンを狩る。狩る。狩る。もう、ゴ○リン○レイヤーとかそんな名称がつくのではないかと思ってしまうほど狩り続けたのだった。…


ソート村には冒険者ギルドなどはないので討伐したモンスター等は燃やして疫病等が発生するのを防ぐのだそうだ。


モンスターの肉なども普通は食料として食べられるのだそうだか、ゴブリンの肉は臭みが強く、一部の好事家にしか好まれない。需要がなく、皆汚物を見るような目でゴブリンをファイヤーするらしい。


ただ、唯一ゴブリンでも使えるのは魔石と言われるもので魔物なら皆持っているものだそうだ。加工したり、売ったりしてし生活に役立てるようだ。


良かったな、ゴブリン。お前の死は人間の役にたっているらしいぞ。



そう、村で一番ゴブリンを狩っているんじゃないかと思われるセリムは祈りの言葉を捧げた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る