第2話友達100人もいたら鬱陶しいから1人だけいれば良いと強がるのも大事
数年後、宗太ことセリム・ヴェルグは順調に育ち五歳になった。この歳もなると色々と世界の事についても知ることが出来た。
・この世界はやはり地球とは違うと言う事。
・この世界にはファンタジーではよくある魔法が存在すると言う事。
・そしてこの世界の人物は、皆がステータスと言うものを持ち、頭の中で念じると表示可能だと言う事。
そしてこれが一番大事。
・どうやら俺は男だったようだ。
女性同士がいちゃいちゃするのも興味はあるけど、やはり見るだけでは満足は難しい。まぁ、童貞なので経験はないのだか…だか、やはり男に生まれて良かった。前世で成し遂げられなかったことが出来るかもしれない。あくまで"かも"なのだが。
顔立ちは普通な感じで髪はシトリアに似たようで黒い。白髪も憧れはあるが、若白髪なんぞバカにされそうだ。
それは置いとくとして、ステータスに関してなのだがどうやらかなり重要な役割が有るらしく、それにより就ける職業などが変わるようだ。ゲームのようだなという非凡な感想を思ったのが第一印象だった。
この世界の歴史について多少ではあるが知ることがあった。家にあった本に書かれていたのだ。その時に読んだ内容は、この世界に存在するスキルの事が書かれてあったので読んでみた。
神敵スキルーー大罪スキルとも呼ばれているーーと言うのがあるらしく、神を殺す為のスキルとして危険と書かれていた。
神を貶めたりする名がついていたりするスキルが、それに該当すると書かれていた。なお、大罪スキルは現在七つ発見されているそうだ。
どれもこれも相当強力な効果があるらしく一対一で戦える者は数える程しかいないらしい。Sランク冒険者でも援護魔法ーーステータス上昇系ーーを掛けてもらい、束でかかってようやく戦いになるのだそうだ。それでも勝てないらしい。
「一体どんなバケモノだよ。つか、どこでも存在するのかね、大罪なんてのは…」
そんな事を他人行儀感満載で一人ごちるが、生憎と無関係でいられたのは己のスキルを知るまでの間だった。
名前 セリム・ヴェルグ
種族:人族
年齢:5歳
レベル:1
体力 :10
魔力 :4
筋力 :3
敏捷 :1
耐性 :3
スキル
そう、これを見ても分かる通り神を喰うなんて大層な名前が付いている。現在確認されている神敵スキルは七つだ。
・傲慢
・憤怒
・嫉妬
・怠惰
・強欲
・暴食
・色欲
この七つとされている。が見事に神を冒涜している。というか、神を喰うってどのスキルよりも神敵感満載だ。
神敵スキル保持者はその存在が知られれば酷い目に合うとされている。しかし具体的な事は書かれておらず、逆にそれが恐ろしい。
「そんなにその本面白いか?」
そう問いかけてきたのは父親のハンスだった。
この世界の事を知ろうと読んでいるだけなので面白いとは感じないが、自分にとってはかなり重要なことが書かれていた為に他にもないかと探していたのだ。
「まぁまぁだよ」
「本を読むのもいいが偶には外で遊んだらどうだ?」
「…分かった」
「あなた、良いじゃないですか。好きで読んでるんだから」
そう言ってシトリアが晩御飯を運んできた。
ハンスは俺が本ばかり読んでいて友達がいないのではと心配してかなりの頻度で外で遊んだらと言うのだ。友達くらいいるわっ!
「そうなんだか…危険が多いこの世界では男の子には強く育って貰いたいし、さすがに友達がいないってのはな…リアもそう思うだろ」
「それは…確かに一人もいないのはね…」
「一人位いるよ! 隣の家のルナと偶に遊ぶし…」
言っていて段々声が小さくなっていくのを自分でも感じる。我ながら友達が今のところ一人だけ…厳しいな現実は。
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