全てはGへ
kawahori
第1話
遠い遠い世界の物語〜〜
ここは様々な種族や民族が暮らしている平和主義国家【クラロス共和国】
クラロス共和国の端の端。
密林の中をかき分け、数人のスーツを着た者たちに追いかけられ疾走している大柄の男がそこに居た。
「おいおい!ついてねぇな、、ったくよー!せっかく俺様が猛獣退治に来たってのに、なんでこんなところに国家部隊がいんだよ!」
男は黒髪で筋肉質、腰の装備をガシャガシャと鳴らして駆け抜けていた。
「止まれ!反逆者ライリー・ゴルドーラ!お前は王族管轄の店から盗みを働いた!そのため生死問わずの指名手配犯となっている!」
スーツの1人が叫ぶ。
数人のスーツの男達は皆同じサングラスをかけ金色の刀を腰に装備している。
「ハハッ!王族管轄の店ってだけでりんご一つで生死問わずかよ!流石にやり過ぎだろ!これだからレジスタンスが増えていくんだよ、、」
皮肉を交えてライリーが叫ぶ。
「これが最後の警告だ!こちらには国家武装の解放も認められている!どのみちお前に選択の余地はない!」
スーツの男達は刀に手をかける。
「くそっこのまま逃げてても拉致があかねえな、こんな奴らに弾は使いたくねえが死ぬよりマシか、、」
ライリーは立ち止まりスーツの男達に振り返り腰の銃に手をかける。
腰の銃は拳銃というにはあまりに大きく不気味なほどに黒光りしていた。
銃の反対側には拳銃の弾が4つだけ装備されており、これも特別な弾丸なのか、とても大きく1つ1つに番号が刻印されていた。左から1番、2番、2番、4番。
「ここまでだな、ライリー・ゴルドーラ。我々国家部隊から逃げ切れるとでも思ったか。お前の首はクラロス共和国第13代国王、クラロス・ローテンベルグ様に捧げてやろう!」
スーツの1人がニヤリと笑いながら呟く。
「はっ!あんな国民のことなんて何も知らない、温室育ちの国王様なんてクソの役にもたってねえだろーが!」
ライリーは銃から手を離しスーツの男達に向かって親指を下に向けた。
「お、お前、国王様になんということを、、レジスタンスにも入ってないコソ泥風情がほざくのも大概にしておけ!!その言動は許される域を超えている!!!」
スーツの男達は刀に手をかけた。
『我はここに誓う』
『鎮静の王の眷属の力』
『我の王の名はクラロス』
スーツの男達が呟くと腰の刀が金色に光り出した。
「終わりだ。我らがクラロス王の力は鎮静。その力から作られた国家武装、クラロスブレード。少しではあるがクラロス王の力を借りることができるのだ、すなわち肉体のリミッターを外しー
「ごちゃごちゃうるせえよ!」
ライリーは目の前のスーツの男に走り飛び蹴りを繰り出した。
スーツの男は余裕の表情でかわしライリーの腹にカウンターの容量で肘鉄を食らわせた。
「ゔっ!」
ライリーは弾き出されたように後ろの木に叩きつけられ、ズルズルと下に身体が滑り落ちていった。
「最後に言い残すことはあるか。家族にひとことぐらいは伝えてやろう。」
「、、、え」
「なんだ?聞こえないぞ、」
スーツ1人が歩み寄ってくる。
「くそくらえ」
ライリーはニヤリと笑い腰の銃を構え、2番と刻印された漆黒の様な弾丸を銃に装填した。
「救えない本物のクズだな、万死に値する!死を持って償え!!」
スーツの男達が一斉に襲いかかる。
「うわあああ!嘘だよ!助けてくれぇぇ!」
ライリーは銃を構えながら情けなく叫ぶ。
「バカが!今更遅い!」
「、、、、なんてな」
カチッ
ライリーは引き金を引いた。
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