第3話

君は妙に嬉しそうに


「何でこうなったか思い出した?」と


嘲笑う様にケタケタと笑うものだから


私は腹が立って 君に殴り掛かる。


君は途端に透けて、避けてしまうので


私はやり場を無くした怒りを、ただ自分で


その手首にぶつけるしか無かった。


何度切っても傷つかない肌が憎くて


一緒にいられない悲しさも相まって


泣くしかなかった。


涙はやがて私と君を流していくと


更に時は巻き戻って行くのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る