第32話 マイホームビルダー 作業部屋&寝室編


 リビングダイニングを作り終えると、今度は作業スペースを作っていく。同じく一〇〇畳程度の部屋を隣に作り、【製錬炉】、【タンニン漬け樽】、【鉄の作業台】、【裁縫箱(革)】、【裁縫箱(布)】、【糸車】、【機織り機】、【焚き火】を設置していく。

 

 ビルド関係の道具類はこちらに集約して設置する予定で、雨でも作業ができるように室内にしておいた。しっかりと換気用の通風口を設置して酸欠になる事態だけは避けておくことにした。


「あとは、【素材保管箱】を作成しておこう。インベントリも結構埋まり始めているから腐らない素材や持ち歩く必要のない物はこっちで保管した方がいいな」


 【素材保管箱】はインベントリから溢れ出す素材群をしまっておくことができる魔法の箱であった。ゲームの世界観を引き継いでいると思われるこの世界でも、保管箱には大量の素材を放りこめると思われた。


 【素材保管箱】……ビルダーランクに応じて保管できる素材の数が増える不思議な箱 消費素材 鉄のインゴット:2 銅のインゴット:2 木材:2


 ボフッ!


 生成された【素材保管箱】のメニューを開く。


 素材保管箱 (新人)


 収納スペース 0/20


 自分のランクが【新人】であるため、収納素材数は二〇種類しかしまえなかった。だが、レベルアップや生成回数でランクが上昇すれば、ランクに応じて保管数が増える仕様だ。


 とりあえず、腐らずに持ち運ぶ緊急性の低い素材を保管箱に移していく。【石】、【棒】、【木材】、【鉄のインゴット】、【銅のインゴット】、【岩塩】、【綿毛】、【なめし革】、【革ひも】、【羽毛】、【砂】、【鹿の角】、【蜘蛛の糸】、【雑草】、【干し草】、【樫の古木】の一六種を保管箱に移した。


 素材保管箱 (新人)


 収納スペース 16/20


 【石】、【棒】、【木材】、【鉄のインゴット】、【銅のインゴット】、【岩塩】、【綿毛】、【なめし革】、【革ひも】、【羽毛】、【砂】、【鹿の角】、【蜘蛛の糸】、【雑草】、【干し草】、【樫の古木】


 これで、保管箱に入れた素材は入手した場合や生産した場合は自動的にこちらに保管され、消費する場合は保管箱から消費されるように設定された。


「だいぶ、インベントリがスッキリした。後はレベルアップと生成回数を稼いで、保管箱の容量を大きくしていくしかないね」


 作業スペースに【素材保管箱】を設置し、続いてルリとハチの部屋を作ることにした。


 当人達は番犬をしてくれるつもりらしいが、同じ屋根の下で暮らしていく仲間なので、キチンと室内の部屋を用意する。ゲーム内で戦ったフェンリルやヘルハウンドはかなり大型の体躯だったと記憶しているので、大きめの部屋にしておいた。


 【レンガの壁】で囲い天井を付けて、リビングダイニングと棟続きにしたら、【干し草のベッド】を設置してあげ、玄関とは別にルリとハチ専用の出入り口を部屋に設置した。


「ふぅ、次は俺とルシアの寝室だな。意外とブロック積みは神経を使う作業だな」


 崖を削った場所に作った二〇畳ほどの部屋に【フカフカのベッド】を設置すると、小屋に使ってあった【木の床】を敷き詰めていく。そして、後は衣服をしまっておく【クローゼット】を作成しておくことにした。


 【クローゼット】……衣類や雑貨などを収納する家具 消費素材 木材:2 銅のインゴット:1


 ボフッ!


 完成した【クローゼット】を壁際に配置しておく。シンプルな寝室だが、素材や建材が足りない状況では、上出来の部類に入るのではないだろうか。今後はルシアと相談して色々と足していけばいいと思う。


 後、本宅の工事で残るはトイレの設置だけだった。


 我らがアイドルのルシアたんは当然のごとく使わないことは決定しているが、俺が自然の摂理に逆らえないので、リビングの横に三畳程度の小部屋を作りドアで間切って、汚水用の肥溜めに繋げておいた穴の上に【木の便器】を設置することにした。


 【木の便器】……木製の洋式便器 消費素材 木材;2


 ボフッ!

 

 和式の便器は俺が使えないので、洋式に近いタイプの便器を生成しておいた。陶器製の便器も欲しいが意外と難易度が高いので、木製で我慢しておいた。手洗いと洗浄用に水瓶も設置しておく。


「ふぅう! これで第一次改築計画は完了だな。まぁ、改築というより、新築と言うべきだろうが……」


 すでに元あった小屋を更地にしているため、完璧に新築された我が家はレンガ造りの平屋の大豪邸に進化していた。だが、建材不足と素材不足で内装は小屋時代とあまり変わり映えしていないので、更に素材収集範囲を広げていろいろと生成し、快適イチャラブ生活を送れるように改築していく予定だ。


 トイレが完成すると、外で日向ぼっこしていたルリとハチ、それに沐浴を終えたルシアを呼んだ。

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