第21話 新装備投入

 開墾作業に戻った俺は、作業の遅れを取り戻すために猛烈なスピードで水撒きを終えると、開墾作業中に素材化した【サツマ芋】と【ジャガイモ】を植え終えた。


 そして、作業台に戻ってくると、少し強い魔物がいる南側の低湿地地帯に向けての二人の装備を整えることにした。とりあえず、俺はメニューから鉄製武具を選ぶ。


 【鉄の剣】……攻撃力+30 付属効果:なし 消費素材 鉄のインゴット:2 銅のインゴット:2


 【鉄の弓】……攻撃力+20 付属効果:なし 消費素材 鉄のインゴット:2 銅のインゴット:1 ツル草:10


 【鉄の矢】……攻撃力+10 付属効果:なし 消費素材 鉄のインゴット:1 銅のインゴット:1 棒:3

 

 【鉄の盾】……攻撃力+5 防御力+10 付属効果:シールドバッシュ使用可能 消費素材 鉄のインゴット:2 銅のインゴット:2 木材:2


 【鉄の鎧】……防御力+20 付属効果:なし 消費素材 鉄のインゴット:5 銅のインゴット:2 なめし革:2


 【鉄のグリーヴ】……防御力+10 付属効果:なし 消費素材 鉄のインゴット:3 銅のインゴット:2 なめし革:1


 【鉄の面貌】……防御力+10 付属効果:なし 消費素材 鉄のインゴット:2 銅のインゴット:2


 【鉄のガントレット】……防御力+10 付属効果:なし 消費素材 鉄のインゴット:2 銅のインゴット:2 なめし革:1


 鉄製の装備を一気に連続生成する。 


 ボフッ! ボフッ! ボフッ! ボフッ! ボフッ! ボフッ! ボフッ!


 作業台の上に鈍い銀色に光る金属製の鎧一揃えと鉄製の武器が新たに置かれていた。かなりの金属素材を消費したので、また鉱石掘りにいかないといけなくなったが、鉄製装備に身を包めば序盤の敵に苦戦することはなくなる。そうすれば、素材収集もレベルアップもスムーズに行えるようになり、効率はこちらの方が格段に良くなるのだ。


 作成した鉄製装備を着込んでいく。【革のジャケット】と【革のズボン】の上に鈍い銀色の鉄の防具を着込んでいくと、〇紀末救世主伝説なんちゃらの拳に出てくる、斧を持ってバイク乗り回していそうな感じになったが、とりあえず気にしたら負けなので、気にしないことにした。


 とりあえず、装備がバージョンアップしたので、ステータスを確認してみる。


 ツクル 

 

 種族:人族 年齢:23歳 職業:ビルダー ランク:新人


 LV3


 攻撃力:20 防御力:19 魔力:9 素早さ:11 賢さ:12


 総攻撃力:55 総防御力:79 総魔力:9 総魔防:12


 解放レシピ数:55


 装備 右手:鉄の剣(攻:+30) 左手:鉄の盾(攻:+5 防:+10) 上半身:鉄の鎧(防:+20) 下半身:鉄のグリーヴ(防:+10) 腕:鉄のガントレット(防:+10) 頭:鉄の面貌(防:+10) アクセサリ1:なし アクセサリ2:なし


 とりあえず、ガチタンクの完成です。序盤は魔術を使ってくる魔物は出ないから、物理防御に極振りすれば余裕なのは、ゲームを攻略していた時の知識だ。


 これで序盤の魔物には、ほぼノーダメージで完封できる。ルシアを守る必要もあるから、俺が簡単に斃されるわけにはいかなかった。


 続いて、大事な同行者であるルシアも装備をバージョンアップさせる。メニュー欄を開き、革製の防具を作成していく。


 【革の胸当て】……防御力+5 付属効果:なし 消費素材 なめし革:2 革ひも:2 銅のインゴット:1


 【革の草摺り】……防御力+5 付属効果:なし 消費素材 なめし革:2 革ひも:1 銅のインゴット:1


 【革の手袋】……防御力+5 付属効果:なし 消費素材 なめし革:1 革ひも:1 


 【革の帽子】……防御力+5 付属効果:なし 消費素材 なめし革:2 革ひも:1 


 【革のマント】……防御力+5 付属効果:なし 消費素材 なめし革:2 革ひも:1 銅のインゴット:1


 ボフッ! ボフッ! ボフッ! ボフッ! ボフッ!


 作業台の上にルシア用の革製の防具が新しく生成されていた。魔術師であるルシアは鉄製の鎧を装備できないので、防御力が劣るが無いよりはマシの革製防具を身に付けて貰うことにしておく。


 生成作業が終わったところで、丈の短い革のワンピースを着たルシアが飛び出した尻尾を揺らしながら、昼食が完成したことを知らせに来てくれていた。


「ちょうどいい。午後からは南の方に素材の収集にいくから、これを着ていってくれるかい。無いよりはマシだからさ。まぁ、その前に俺がルシアまで近づけさせないけどね」


 目の前に差し出された装備一式を見て、ルシアが驚いている。


「ひゃあぁ~! 革製の防具がこないに短時間で、できてしまうなんて……普通だったら、注文出して二週間は十分かかりますよ……えろうすみませんね。ツクルにーはんの足手まといには、ならないように頑張らさせてもらいます~」


 その場で防具を身に付け始めたルシアだったが、少し前に屈むと革のパンツや綺麗で真っ白いお尻がチラチラとスカートの裾からはみ出してしまっていた。


 ……うーむ、これは素晴らしい光景……だが、他の奴に見られるのは避けたい……今のところ、この僻地には誰もいないと思うが、放浪者がいつ現れるかわからないからな……。


 プリンとした安産型のお尻を持つルシアの後ろ姿を見ながら、自分が趣味に走って作成したスカート丈の危惧を覚えていた。


 とりあえず、スカート丈に関しては後日考えることにして、装備を終えたルシアのステータスも確認してみる。



 ルシア・カバーサ

 

 種族:妖狐族 年齢:18歳 職業:魔術師 ランク:新人


 LV3


 攻撃力:10 防御力:11 魔力:24 素早さ:8 賢さ:22


 総攻撃力:10 総防御力:30 総魔力:49 総魔防:37


 使用魔術:火炎の矢(魔力+10 火属性) 建造物破壊(魔力:+?? ??属性)


 装備 右手:樫の杖(魔力+20 魔防:+20) 左手:なし 上半身:革の胸当て(防:+5) 下半身:革の草摺り(防:+5) 腕:革の手袋(防:+5) 頭:革の帽子(防:+5) アクセサリ1:ルビーのペンダント(銅)(魔:+5 魔防:+5) アクセサリ2:革のマント(防:+5 魔防:+5) 



 やはり、固さが足りないがそこは俺がカバーすればいいところであった。しかし、瞬間火力はルシアの方が高い。総魔力:49に火炎の矢の魔力10が上乗せされたのが、魔術の威力であるため、俺の物理攻撃力を上回るトータル総魔力:59になる。しかもペンダントの効果で、魔物が火属性に弱ければ更に+5の上積みがあった。

 

 遠距離で近づかれる前に仕留めるスタイルを貫けば、ルシアはかなりの強さになると思われる。高威力の魔術書も作成できるように作るものリストの上位にリストアップしておこう。


「ツクルにーはん? どうですか? 似合ってます?」


 ルシアが目の前でクルンと一回転する。スカートがフワッと持ち上がり、尻尾とともにスカートの中身がチラッと見えてしまった。


 ……うぐぅ……大変に似合っておられます……貴方様には男を前かがみにさせてしまう魔法が付与されてしまいました。もう、俺は抗えません。


 革製防具を身に付けたルシアは黒い囚人服からのイメージを脱却して、一端の冒険者のような格好に変わっていた。これなら、追放された街以外に近寄っても攻撃されることはないだろう。


「とても、可愛くて、可愛くて。大変に似合っているよ。俺の脳内のルシアメモリーに新しく永久保存しておくよ。う~ん、カワイイ」


 ルシアがボッと真っ赤になって無言で小屋に向かって俺の手を引いていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る