林間学校

@miyavi72321992

第1話

これは私が中学生の林間学校で体験したお話です。


私が泊まった施設は、山奥にある古びた施設で、泊まれる建物が幾つもに分かれていました。私の学校が泊まった建物は、施設の中でも山道を登った奥にある建物で、夜なれば街灯も少なく、建物までの道のりにある階段はとても気味が悪いものでした。


夜、私と友人でお風呂から上がり、山道を登っていると、階段の手前にある街灯の下に、同じ歳くらいの少女が立っていました。

見たことのない制服で、別の学校の生徒だろうと思った私は、そのまま階段を上ろうとしたのですが、友人が興味を持ったらしく、その少女に話しかけました。


「ねえねえ、君どこの生徒?見た事ない制服だけど。もしかして、幽霊?」


笑いながら話す友人に驚いた私は、友人を引っ張って部屋まで戻りました。

慌てて戻った私が面白かったようで、友人は引き返そうと私に言いだしました。

結局、私が頑固に行かないと言ったので、友人も途中で飽き、山道に戻る事はありませんでした。


就寝前になって、クラスで怖い話し大会になりました。部屋を暗くし皆で円になり、友人は私の向かい側に座っていました。

いくつかの怖い話をした後、友人が先程の話をし始めました。


「ここの施設には、強い怨みで自殺した女の子がいて。今も誰か道連れに出来ないか探してるんだって。その女の子がいる場所、何処だと思う?ここに来るまでの山道だよ!それで、見える人に取り憑いて殺しちゃうってわけ!」


そこで友人は私の方を指してこう言いました。


「だからほら、あんたの後ろに!!」


私が驚いて後ろを振り向くと

誰も居ませんでした。

友人が後ろでケラケラと笑うのが聞こえました。クラスメイトも笑っている中、

私は見えてしまいました。


窓から反射して見える友人の後ろに




山道で見た少女が立っているのを。



結局私はその後部屋が明るくなるまで上を向く事が出来ませんでした。

部屋が明るくなった後、友人の後ろには誰もいませんでしたが


あの少女は何処にいったのでしょうか。

それは今でも分かりません。


ーオワリー

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

林間学校 @miyavi72321992

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る