電化製品の愚痴

掃除機

大手電機メーカーの商品棚に俺たちは並んでいる。人が居なくなった夜更けに秘密の愚痴大会が始まる。

ウォッシャー

「なぁ、サイクロン！」

サイクロン

「ん？ どうしたんだい、ウォッシャー？」

ウォッシャー

「俺たちってなんで生まれてきたんだろうな」

サイクロン

「おいおい、急にどうしたんだい？」

ベガ

「それはオイラも時々考えるよ！」

ウォッシャー

「おぉ、ベガ！ お前まだいたのか？」

サイクロン

「売れてなくて何よりだよ......」

ウォッシャー

「話を戻すが、俺らって掃除機だろ？」

サイクロン

「うん、そうだね」

ベガ

「ああ、そうさ！」

ウォッシャー

「掃除機っていうことはゴミ吸うだろ？」

サイクロン

「うん、吸うね」

ベガ

「吸わなかったら掃除機じゃないよ！」

ウォッシャー

「お前ら、ゴミ吸いたいか？」

サイクロン＆ベガ

「.......................................」

ウォッシャー

「俺はやだね！ 何でわざわざ人の食べかすやそこら辺のぬちゃぬちゃした液体を吸わなきゃならんのだ！！」

ベガ

「そっか......ウォッシャーは防水設計だから液体も吸わなきゃいけないんだね...」

サイクロン

「それなら僕だって3時間充電で24時間動けるから過労死しちゃうよ！！」

ベガ

「コストパフォーマンスが高いのにも考えようだね......」

ウォッシャー

「そういうベガには何かあるのかよ！」

ベガ

「オイラは2013年製造で、もうすぐ処分されちゃうから.........」

ウォッシャー＆サイクロン

「あ.............................................」

ウォッシャー

「...........................買われるといいな」

サイクロン

「頑張って！！」

ベガ

「うん、ありがとうみんな.........」