無重力の2時

大垣伸悟

第1話 小銭と捨て子と逆転無罪

そこはイリノイ。

入りのいい美術館で有名なシカゴ美術館のある場所。

そう、炒りのいいコーヒーで有名なシカゴ美術館だ。


ポールはふと空を見上げた。

あ!あれはジョン!空を飛ぶなんて無謀だ!


そのときポールは、そばに置いてあった捨て子を拾うと咄嗟に育てた。

ジョンに投げるためだ。


ジョンまでの距離は推定20m。

ポールの遠投能力では到底届かない。

そのため、捨て子を一流のアメフト選手に育てて、小銭を投げてジョンの飛行能力を奪おうということなのだ。


古銭収集家のジョンなら、投げた小銭の年代を調べるべく、地上に降りてくるのではないか、というエナバルの如き発想である。


捨て子はすくすくと5.8倍のスピードで育った。

しかし趣味の問題か、突如漫画家になりたいと言い出した。


ポールは、これだから最近の若者は・・・と言いたいのをぐっとこらえて、デビュー作の出来で判断しようと譲歩した。


「僕とお父さん」

なんともジャンル分けしづらいタイトルである。

12ページの短編読みきり物であったため、通信教育で速読をマスターしているポールには、ものの2分とかからなかった。


なんとジョンがお父さんであるという前代未聞の暴露漫画である!

事実を漫画のデビュー作で知るという衝撃的な結末の展開。

怒りに満ちたポールはスプリングフィールドへ。


続く。


*逆転無罪は時間の関係上 無視しました。

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