拝啓、クソガキの皆様。
喘息患者
第0話 前座、のようなもの。
「……その、こういうことも気が引けるが、本編も始まっていないのに、こういう事はすべきではないんじゃないか?」
「そう。それならあなただけ、そこで立っていればいいわ。」
「立っているだけなら帰ってしまうのと大差ないだろう?小説だぞ?君が喋る度に僕はただ立っているだけだと書いて行間を詰めればいいのか?」
「そこまでして自分の存在を強調しなくてもいいと思うのだけど?」
「そうか。なら僕はおいとまさせてもらおう。」
「そう。それならオレンジジュースとお茶菓子を三人分用意して置いて欲しいわ。」
「心配しなくても僕の家の鍵は開かない。じゃあまた。」
「って、ちょっと待って前崎くん!?澄玲ちゃんにそそのかされて帰っちゃダメだよ!?」
「帰ろうとしてはないよ。用事を思い出しただけさ。」
「それは帰ろうとしているよね!?」
「そうよ
「前崎くんにそんな用事は無いし、その客人って私達のつもりなんだよね澄玲ちゃん!?」
「立花さん、タクシー運転手を忘れている。」
「しれっと電話で呼ぼうとしないで!!どんだけ帰りたいの!?」
「バスの方が安く済むと思うのだけど?」
「論点そこじゃないからね!?澄玲ちゃんも帰る方向に誘導しないで!!」
「さっきから立花さんは何が不満なんだ?」
「さぁ?あなたが母子家庭のくせにブルジョワな思考だからではないかしら?」
「恐ろしいほど斜め上な方向に勘違いしているけど、一番はこれから始まる私たちのお話についてまったく宣伝とかしようとしないことだからね!?」
「あぁ、それでこんな殺風景な場所に監禁されているのか。」
「まだ砂漠の方がマシではあるわね。」
「言い回しと突然の毒舌はもうちょっとどうにかならなかったのかなぁ?」
「それで、僕らは何を言えばいいんだ?」
「24時間365日、現役高校生に粘着したドキュメントをひたすら垂れ流す様子をご覧ください。でいいのかしら?」
「こんな感じの三人がメインの学園ドラマが始まります!私達「高校生」が描く様々な人間模様にご期待ください!個性豊かな思春期の主張をお見逃しなく!だよね!?」
「まぁ、嘘は言ってないな。」
「物は言いようね。」
「この二人を振り回す悪役なんて自信ないよぉ……。」
という訳で、「please tell me」終了後に始まるこの作品にご期待ください!
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