輪ゴム鉄砲
アーモンド
心みたいに伸びる、縮む
輪ゴムは伸びる
オレンジ色の体をぴんと張って
「少しくらいなら無理しても平気だから」と
輪ゴムは狙いを定めて
伸びる 伸びる 伸びる
少し遠く 離れたところにいるソイツに
力強く飛んでいく 輪ゴムが飛んでいく
どこまでも飛んで ソイツに着地したの
怒りもしたし なんか嬉しそうでもあった
ソイツはこっちを見て ゴムに言うの
「あっちに戻ってあげて」なんて
まるで 輪ゴムを飛ばしたのはこちらなのに
こっちが孤独で可哀相だと
そんな風に言うの
ソイツはゴムをぴんと張って
こちら側に輪ゴムを飛ばすの
行って返って よれよれになった輪ゴムは
こっちを見て 少し悲しそうに笑った
「もう孤独じゃないね」って
いつの間にか ソイツと仲良くなったみたい
輪ゴムで繋がった 輪ゴムに繋がれた
けれど輪ゴムは戻って来ない
輪ゴムは『僕』と『ソイツ』を繋いだら
切れて何処かへ飛んで行ってしまったから
輪ゴム鉄砲 アーモンド @armond-tree
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます