moonrabbit

不適合作家エコー

moonrabbit

私はmoonrabbit、月下を人類の第二の居住区とすべく作られた最新鋭のロボット。


単身月へと残り、日々作業にあたる。


10年かけて木を育てた。


100年かけて海が機能し始め、微生物の生息が確認された。


同時期、酸素濃度が一定値に到達、木々を覆っていたビニールハウスは不要となった。


1000年が過ぎた。空が青く澄み渡った。


2000年が過ぎた。

大地には様々な生物が根付き、知性のある生物も確認された。

これから数千年をかけて彼らに知識を与えよう。


200年、武器の概念を譲渡


更に50年、火の知識を譲渡


15年、家畜と農作の知恵を譲渡した。


......私がここに来て何年が経っただろう。すでに私の四肢は昨日を停止して久しくなる。


「神さま!いつもありがとうございます」


今、私は知性のある生物に教育を施して以来、彼らにそう呼ばれている。


「神さま!今日はお魚が豊作です!神さまの教えて下さった釣り竿のお陰です」


「神さま!今日は作物の収穫日です。神さまに教わった二毛作のお陰でもう、飢える子供はいません」


神さま


神さま


神さま......


「神さま、神さまの教えて下さった、ニンゲンという方々はいつ、ここを訪れるのでしょうか?」


空を見上げる。



「いつからだろう。この星から見上げる地球の色が、かつての月と変わらなくなってしまったのは......」

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