三部 17話 最後の日常

 大小さまざまな、高純度のマナタイトが倉庫に並べられている。

 俺は決戦に向けた最終チェックを行っている。

 あとは決戦あるのみだが、なにか見落としたことはないだろうか。何度も何度も確認する。

 だが心のどこかで、まだ恐ろしい夢の事が頭をよぎる。

 何か危険な予兆はないか? 変な所はなかったか?


「うーん……」

「なにか心配事でもあるんですか? マサキ様」


 首を傾げる俺を覗き込むレイ。

 改めてマナタイトを手に取り、結晶を覗き込む。

 そういえばゲセリオンを倒したとき、一度は全部使い切ったのだった。しかし残った欠片を回収し、また新たに買い揃えた事でより数は増えた。


 そう、数は増えた。

 なぜかノイズ国から特別ボーナスを貰ったからだ。

 ゲセリオンは自称するとおり、本当に秘密兵器だったらしく、懸賞金すらかかっていなかった。

 名もない魔王軍の怪物を倒すために、大量のマナタイトを消費したと報告したときには、総督に怒られると思ったのだが。

 そうではなかった。

 ゲセリオンはともかく、コロナタイトを手にしたという話を聞くやいなや態度が急変し、今までどおり、いやそれ以上の支援をして貰った。

 あんなに嬉しそうな総督を見るのは初めてだ。

 コロナタイトなんて何に使うつもりだ?


「うーん……」


 コロナタイト、伝説のレア鉱石。使い方次第では戦況を一変できる可能性がある。だから総督がほしがるのは理解できるのだが……。

 


「隊長! あなたがサトー大隊長ですね! 一目でわかりました! その眼鏡で!」


 考え込んでいると、見覚えのない紅魔族に話しかけられた。


「我ら! 紅魔族最強の5人! 紅魔族の完全体といっても過言ではありません! アルティメット・ファイブ!」


 眼鏡をした長身の女性を中心に、5人の紅魔族がそれぞれ戦隊物のようなポーズを取った。

 紅魔族の服装はみな個性的だ。自分で勝手にカッコいいと思った服を考え、どう見ても実用的じゃないという俺のつっこみを無視しながら、無駄に魔力の高い装備を仕上げてくる。

 だがこの五人は男女の違いこそあるものの、ほぼ似た服を来ている。


「他の呼び名は募集中です! 誰でも気軽にご応募願います!」


 アルティメット・ファイブはペコりと頭を下げて言った。


「そこのあなた! 誰に断ってメガネをかけてるんですか! これでマサキ様とペアルックのつもりですか! 殺しますよ?」

「おお、これは失礼したプロトタイプ。別に目が悪いわけではないのですが、あくまでファッションとして伊達メガネを付けさせてもらってます。プロトタイプの話もマスターから聞きました。不快でしたら今すぐ外します」


 レイのいちゃもんに、大人しくメガネを外す女。


「こちらはいかがでしょうか!」


 どこから用意したのか片眼鏡を着ける新しい紅魔族。

 

「うーん、許す!」

「お心遣いに感謝します。プロトタイプ!」


 女性はレイに頭を下げてお礼を言った。


「では隊長。我々について詳しい説明をします。マスターは悩んでおりました。魔法使い適正を最大まで高めるとオーバーヒートの可能性がある。しかし! 第二世代のように力をセーブすれば不満が出る! そこで考えたのです! 得意な魔法だけを絞って伸ばす事で、オーバーヒートを防止できます。最強の魔法を使いこなし、更に暴発もない! フッフッフ、つまり究極の紅魔族というわけです!」


 勝手にホワイトボードを取り出し説明を始める片メガネ。

 つまり彼女たちは第三世代の紅魔族というわけか。

 というか。

 これ以上濃いキャラと付き合ってられんぞ。最初の紅魔族、ファーストナンバーズだけでもめんどくさいのに。


「私達は紅魔族だけでなく、ブラックネス・スクワッドにも注目しました。無敵伝説は、決して紅魔族だけの力じゃないことを、わかっているのですよ」


 ウィザードが苦戦しそうな素早い相手には、あらかじめ偵察をやって拘束させているのだが。

 そこに気付くとは。少しは頭の回る紅魔族もいるじゃないか。


「ずばり勝因はその軍服ですね! 軍服も一周回ってまたカッコいい! 今までの紅魔族はダサいといっていましたが、よく見ればそのデザインには見習うべきところがある。その服が勝敗の決め手だと考えております。我らもブラックネス・スクワッドのデザインを取り入れています!」


 やっぱ馬鹿だった。少しでも期待した俺が馬鹿だった。紅魔族はどいつもこいつも、見た目意外興味ないのか?


「おまえらが特別なことはよーくわかった。で、実力はどれほどだ?」

 

 少しうんざりしながら話を聞くと。


「フッ、残っていたスキルアップポーションは第二世代の者に全て飲まれたため、全員現在レベル1です! 使える魔法はありません!」

「なめんな」


 とんだ雑魚じゃねーか。

 この最強の紅魔族たちは、魔王との最終決戦には間に合いそうもない。

 居残り決定。計画に変更はなさそうだ。


「そういえば、博士と連絡が付かないんだが、元気なのか?」


 最近殆ど会うことのなくなった、博士について尋ねる。少し前までは研究のヒマを見つけてはあのゲームセンター(秘密の地下格納庫)で遊んでいたのだが。所長に昇格して忙しいのだろうか?


「マスターですか。マスターなら新兵器の開発で手一杯みたいですよ? 私達の手術もギリギリだったようですしね。改造手術が終わり次第、すぐにノイズの高官に連れて行かれました」


 新兵器? なんだそれは? 

 そういえば前に総督が機動要塞とかいってたな。

 

「どうせまた『魔術師殺し』や『レールガン』みたいな欠陥兵器だろう。そんなものに頼らずとも、俺たちだけで魔王を玉座から引き釣り下ろしてみせる!」

「さすがは隊長です。我らアルティメットファイブも是非お供を!」

「いや、お前らは足手まといだから留守番だ!」


 申し出を却下する。

 そこをなんとか! お願いです! としがみ付いてくるアルティメット・ファイブ(笑)を振り切った後、今度は紅魔の里を見回りに行くと。

 なんだか人だかりができていた。



 その中心にいるのは、あの時の盗賊。俺のパーティーを分裂寸前にしたあの疫病神。エリス教徒のクリスだ。

 こっそり忍び込むのは諦めたのか、堂々と姿を晒し、紅魔族に話をしている。


「また来ましたね! 今度こそ私の手で!」

「よせ、レイ。まずは様子を見よう」


 クリスを倒したとなればマリンが黙ってはいないだろう。また前のように内輪もめになっては困る。



「君たち改造人間のことはエリス様も驚いたみたいだけど。大丈夫、普通の人間と同じように女神の元へ導かれる。っていうか導くようにしたから安心してね!」


 どうやら布教活動でもしているようだ。

 丁度今マリンは瞑想タイムだ。あの状態のマリンは何をしようが部屋から出ないため、前のようにもめることはないだろう。 

 俺から神器を取り戻すため、紅魔族を味方につけるつもりか?

 だが肝心の紅魔族はクリスの言葉を、つまんなそうに聞いている。

 紅魔族の扱い方をわかってないな。


「私の目的は、あの悪党マサキが持っている神器なんだ。もし取り戻してくれたら、全員エリス様の祝福が――」


 神器という言葉を聞き、ピクっと反応する紅魔族。そう、いかにも厨二病患者が好きそうなものを出し、騙し騙し従わせる事がこいつらを制御できる唯一の方法だ。


「神器!」

「神器!」

「神器! 神器!」


 神器というパワーワードを聞くやいなや、興奮し始める紅魔族たち。


「神器ってのはアレだろ? 伝説の剣とかだろ?」

「マサキなんかより、私達最強の紅魔族が手にする資格がある!」

「紅魔族に神器パワー合わさり最強に見える!」

「神器ってのは、女神に認められた勇者にしか扱えないんだけど! 取り返して欲しいんだけど! ねえみんな、話を聞いてええええ!!」


 もはや聞く耳も持たず、神器について語り始める紅魔族たち。もうクリスの目的なんてどうでもよさそうだ。


「あ、あのっ!? 熱心なエリス教徒だと聞いたのですけど……質問いいですか?」


 熱狂する紅魔族の中で一人冷静で、おずおずと手をあげるひゅーこ。

 ゲセリオンとの戦い以降、ひゅーこに同情的になった紅魔族たちは、空気を読んで静かになった。


「え? キミもどうやら改造人間みたいだね? まぁエリス教徒って言ってもただの盗賊だからさ、プリーストみたいには出来ないかも知れないけど、出来る限り答えてあげるよ!」


 話が通じそうな人間に出会いよほど嬉しかったのか、クリスが満面の笑みで頷いた。


「私は、元魔族だったんだけど無理やり人間に改造させられて……。最近はもういっそ人間の側に付こうかやめようか悩んでるんです。こういう場合、死んだときはどうなるんでしょ? 人間として女神エリスの元に送られるのかな? それとも……」

「…………。それは中々珍しいケースだね。どうなんだろうなあ? 多分人間として善悪の判決を下されるんじゃないかな? どうみても元魔族には見えないけど、君の優しい心は見ただけで伝わってくるよ! 魔族だったときに特に悪さをしなかったでしょ? きっと女神エリスも許してくれると思うね!」


 眼帯少女に笑顔で応えるクリス。


「え、ええっと魔族だったときはバンバン人を襲ってましたけど? どうなんでしょうか? やっぱダメでしょうか?」

「……。うーん……」


 頭を下げて考え込むクリス。

 この女が節穴だと言う事だけはよくわかった。

 クリスとひゅーこの間に気まずい雰囲気が流れたあと。



「それは置いといて! とにかく神器! 神器!」

「どんな神器があるんだ! 気になる!」

「紅魔族の琴線に触れますよね!」


 神器という言葉を思い出し、興奮する紅魔族たち。


「伝説の剣とか! 何でも斬れる剣とか欲しい!」

「ビームは出ないんですか? なにかビームがでる神器は!」

「めっちゃすごい! そしてめっちゃ強いのが欲しい!」

「性転換できる神器とかない? それでダグネスと結婚する!」


 どんな神器があるのか質問攻めに遭うクリス。一人変なのが混じってるけど。


「だから何度も言ってるけど。神器はさあ、所有者以外には扱えないから手にしたところで意味ないよ。でもそれでもたまに、多少はその力を手に出来るものがあってね。体を入れ替えるの以外にも他に、最優先で回収したいのはさ、モンスターを呼び出す神器とか」

「ブハッ!?」


 思わず噴き出してしまった。

 今この女何を言った?

 モンスターを呼び出す神器だと?


「モンスターを呼び出す神器? それはどういうもんなんだ?」

「ランダムにモンスターを呼び出して使役することが出来るんだよ。それでね、もし地獄の大悪魔とか呼び出しちゃったりしたら、世界が大混乱になっちゃうじゃん。そうなる前に回収しないと! アレで不幸になった人間や国がいっぱいあるんだよ」


 ……。

 …………。

 集まった人間に詳しい解説をするクリス。


「だからあの神器は絶対に悪者の手には渡せないんだよ! 私としては永遠に封印したいんだけど、管理してるのが先輩だからさ、気付いたらなくなってるんだよねえ」


 ……まずいな。これはまずい。


「なあマサキ! モンスター呼び出せるの持ってる?」

「ッ?」

 

 話をふられビクッとする。

 いや落ち着け、落ち着くんだ。冷静に言い返せば悟られる事もないはずだ。


「そんなもんあるわけないだろ、アルタリア」 


 にこやかな笑顔で返すと。


「そっか。残念だな。もしあったら毎日モンスターとバトルできる夢の生活が送れたのによ」


 残念そうにアルタリアが背を向ける。よし、うまくいったか。


「ふう」


 胸を撫で下ろしていると、アルタリアが急にくるっと旋回してこっちに来た。


「いやマサキ、さっきの反応はおかしくねーか? 実は持ってるんじゃないか! その神器をよ!」


 こんなときだけ勘が鋭い! 普段バカのクセに!


「何を言っているんだ? まぁクリスさんの言葉も一理あるし、どうでもいいと思った神器の一つや二つは渡してやってもいいぞ? そういえばキールのダンジョンで拾った変な剣があったなあ」

「本当は持ってんだろ? 貸せよ! ちょこっとだけだから!」


 なんとか誤魔化そうとするも、顔を目と鼻の先まで近づけて、じっと覗き込んでくるアルタリア。


「だから持ってないって!」

「持ってる!」


 言い争う俺とアルタリアを見て不審に思ったのか。


「あ! 思った通りやっぱり持ってるでしょ! ノイズ周辺で行方がわからなくなったんだよ! 神器を集めるなんて変わり者はキミ以外いないから!! 大人しく渡してよ! サトー・マサキ!」

「なに言ってんだよ。俺がそんな危ないもん持ってるわけないだろ? あったらとっくに使ってるさ!?」


 迫るクリスに必死で弁解するが。


「この悪党! モンスターを呼び出す神器で一体何を企んでるんだよ?」

「あっはっは、人聞きの悪いこというなよ? モンスターを呼び出す神器はなあ、本当にランダムすぎて安定性が無いんだよ! アレじゃあ俺の野望には使えないな。雑魚を引いてもがっかりだし、かといって大物過ぎたら手に負えないだろ? 使用にはもう少し慎重にならないと駄目だと思うぜ」


 俺は運が大きく絡むような作戦は立てない。そのことを説明すると。 


「やけに詳しいな。その神器について」

「私はモンスターを呼び出すとしか言ってないよ」


 ……やべ。ついつい言い過ぎた。

 疑いの眼差しで迫るクリスとアルタリア。


「い、いや、俺も危険な神器を調べてただけで、コレクターとしての性が――」

「確保ー!」


 言い終わる前にアルタリアとクリスが俺に飛びつき、掴んで揺らしてくる。


「放せ! そんなもん持ってない! 他の神器ならあるから! やるから!」

「いいからよこせ! モンスターを殺すんだよ! うちの家宝にしたい」

「キミって奴は! アレを使ってなにを企んでるのさ!」

「まだ企んでない!!」


 モンスターをランダムに呼び出す、あの神器は大きな可能性を秘めている。少し調べたが、あの神器を使って財をなそうとした人間は、一時的に裕福になるものの最終的には全てを失うことになるという恐ろしい噂がある。

 だが、この俺はそんなヘマはしない。不幸な運命を断ち切ってみせる! なあに、抜け穴探しなら得意だ。

 その俺だけの正しい使い方を見つけ出すまでは封印しておくことにしたのだった。

 一番恐れていたのは方法を見つける前に、他の人間、特にアルタリアに見つけられることだった。

 あいつにこれを渡せばとんでもないことになるに決まっている。どんなやべーのを呼び出すか想像もしたくない。


「な、なあ。もしその神器があるのなら、呼び出した後に殺すことで無限に経験値が得られないか?」

「丁度紅魔族が増えて、付近のモンスターが足りなくて困ってたんですよね」

「呼び出す、フリーズバインド、殺すでいける!」

「キミたちもなに言ってんの? 呼び出してすぐ殺すなんて、それはさすがにモンスターがかわいそうじゃない? この悪党に影響されたらダメだよ」


 紅魔族もその神器の事で盛り上がっている。

 これはまずい。まずいぞ。

 なんとかこいつらの注意をあの神器から反らさないと。集めた神器の中でも、特にアレを手に入れるのには苦労したんだ! 絶対に渡さないぞ!

 マリンがいないのは不幸中の幸いだった。

 だがしかし……どうすれば。


「ご主人ー! コンビニバイト終わりました! 今度のアクセル便まで少し時間があるから、休憩にきたぞ」


 ごちゃごちゃ揉めしている中に、アーネスがエプロン姿でやってきた。


「あ、アーネスさんだ」

「コンビニの看板娘の?」

「なあ俺と契約してくれよ。マサキなんかほったらかしてさ」


 紅魔族にもアーネスの存在は伝えている。もうすっかり顔なじみだ。俺の裏稼業、八咫烏の仕事も任せているので、ちょくちょく里に出入りする必要がある。

 中では離れたノイズの首都までわざわざ買いに行くファンがいるそうだ。


「で、何やってるんだい? みんなして?」

「なんでもねえよ。里に侵入した盗賊を懲らしめるだけさ」

「あっはっは! そりゃご愁傷様! ご主人の拷問は悪魔のあたしから見てもドン引きだからな。命だけでも助かればいいね!」


 それは愉快、といった風に笑うアーネス。


「悪魔?」


 その言葉を聞き、ピクっと動きを止めるクリス。


「ぶっ殺してやるー! どけえええええ!!」


 いきなり叫び声をあげるクリス。

 なんだこいつ! さっきまでのどこかとぼけた姿とは別人だ! 凄まじい殺気を放ち飛び上がる。


「悪魔め! この場で滅ぼしてやる!」


 どこに武器を隠し持っていたのだろうか。すぐさまアーネスに殺意を向けて飛び掛っていくクリス。


「え!?」


 一瞬の間にアーネスの背後に忍び寄り、ナイフを付きたてようとするクリス。これじゃあ盗賊と言うより暗殺者だ。


『バインド』

 

 動きを止めようとすかさず拘束スキルを発射するが、宙返りでかわされる。だがアーネスを守る事には成功したようだ。しかしすぐに体勢を立て直し、再度突撃をかけようとするクリス。


「アーネス! 逃げろっ!」

「なんだこの女! 怖っ! なんかヤバイ! なんか凄く嫌な感じがする! まるで憎きプリースト共の親玉にあったような!! こんな悪寒を感じたのは初めてだよ!」 


 変な盗賊に追われ、アーネスは凄い速度で飛び去っていく。


「なんだこの頭が吹っ飛んだガキは! これ以上おかしな奴に構ってられるか!」

「逃げるんじゃないよ悪魔! 殺してやる!」

「やなこった!」


 大慌てで空に飛び去るアーネス。それを見て激怒するクリス。

 だがアーネスが来てくれて助かった。これで神器の件は後回しに出来る。

 

「ふん! ベー。次こそ神器は頂いていくからね! 覚えてろー!」


 相変わらず挑発的に舌を出して、里の外に駆け抜けていくクリス。



「で、マサキ。モンスターを呼び出すのくれよ!」

「だから持ってないって!」

「ウソだ! 絶対あるだろ? いいから出せ!」


 ずっと付いてくるアルタリア。


「持ってない!」

「持ってる!」

「持ってない!」

「持ってる!」

「持ってない!」

「持ってる!」


 ずっと言い争いは続いた。

 神器の隠し場所を変える必要があるな。あの盗賊は勿論、アルタリアやマリン、紅魔族の目の届かない場所に……。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




「隊長、出撃準備が終わりました。注文通りの軍事物資を全て運び終えました。ゴーレムも待機中です」

「そうか。ご苦労。全ての隊員を集合させろ。紅魔族にも伝えろ。すぐに魔王軍に向けて出発するぞ」


 副隊長が報告に来た。

 これから魔王との最後の戦いが始まるのだ。

 もし魔王を倒すことができれば、俺たちの仲間、紅魔族やノイズとの関係は変わってしまうだろう。

 愉快な日常はこれで終わりかもしれない。

 紅魔の里を最後に見通した後、改めて武器をチェックし、号令の合図へと向かった。

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