お喋りカエルと魔女

悪魔絵師

第1話口うるさいカエル


お喋り王国の高慢なお喋りガエル

口うるさく、何かとゲロゲロとやかましいカエルは


周囲の耳障りな相手でした

四六時中、口うるさく話しっぱなしのカエルは

当然、王様の耳にも入り、


業を煮やしていました


何かいい方法はないかと、頭を悩ますばかりで

そんな時、黒いフードをかぶった老婆が


王国の『声』を奪うために王様の前に、現れたのです


「これは、耳が潰れるほどの口やかましい声だ。いい材料だねぇ」

「わしも、参っておるのだ

やつを追い出す、何か策はないか?」

王様は老婆に何か、カエルの声を黙らす案はないか相談しました



黒いフードをかぶった老婆は、耳がタコになるほどに

喋る声に目をつけました


老婆は、声を材料に魔法薬を作る魔女だったのです

そんな時、得意げに

お喋りを続ける、カエルは高慢にも高らかに声を上げながら王様に、こう言ったのです


「王様は人様のために、へーこら働かなきゃいけないのに

そんな婆と油売ったら駄目じゃない


不躾にも王様に向かって、口答えしたのです

それを聞き

ついに堪忍袋の緒が切れた、王様は


「もうそなたは、この王国から出ていけ!

耳障りじゃ!そうじゃ、魔女よ、この者からの『声』をくれてやる

もう、うんざりじゃ

村人の為にも、そうした方が良い」


「そうかい、そうかい

では、下を出しな」

それを聞いた嬉々と怪しく引きつった笑顔を見せる魔女は、

ナイフの様な杖をフードからだし、カエルの口を無理やり開け

舌を切ったのです。


驚いたカエルは、後ろに倒れるように尻もちをつき口をパクパクさせながら

魔女に何をすると言わんばかりの訴えるような目で


カエルは衛兵に追放されました


雨が振り始め、雨宿りするカエル

悲しみにくれるカエルは、声を上げて泣くことも叶わず

只々目から雫が落ちるばかり、雨の雫か

はたまた、涙か


カエルは考えました

自分は何が悪かったか


好き勝手に喋って、毎日楽しく生きるのが何が悪かったのかと

そんな時、ひょこっと木の穴から、リスが身振り手振りで

カエルに伝えようとしましたが、カエルはリスの伝えたいことが分かりません


それを見ていた喋る花がカエルの図太さに我慢ができず、

「『手話とジェスチャー』で伝えたいんじゃないかな」

とカエルに教えました



そして花は「噂で聞いてるよ。

君、あの口うるさいカエルくんだろ?

人の気も知らないで、巷で噂の口うるさいカエルくんだ

村の外からも丸聞こえだよ、半分は風に乗ってだけどね

君、本当にうるさいね」



カエルは花なんかに指摘されたのが腹を立てたのか

顔を真っ赤に湯気が出そうで、花は続けるように

カエルに「みんな君にうんざりしてるのさ、中には耳栓してるのもいるよ

村の人は、早くいなくなってほしいと、常に陰口を立てたよ

少し、村人のことも考えなよ」


カエルは奈落へ突き落とされる程のショックを受けましたが

内心何処かで気づいたのか、うつむいて顔色が一変して黄色だった体が

青っぽい緑に変色しリスは、そんなことを気に求めず一心不乱に

カエルに伝えようとします


何をするわけでもなかった、カエルは只々

リスを見続けます




それからと言うもの必死にでも、伝えようとするリスに、真剣に見続け


1ヶ月が立ち、ようやく理解したのです

『魔女が、世界中の生き物たちの声を奪い何かを企んでる』

と、


その事実に驚いたカエルは、すぐ様

王国に戻ります



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