常同行動

 ここ半年の毎日は、それらすべてを『毎日』とひとことに纏めてしまえるくらい、規格化された大量生産品みたいな日々が続いていた。

 毎日同じ時間に起きて、毎日同じ時間に家を出て、毎日同じ電車に乗って、毎日同じ仕事をして、そして毎日同じ時間に家に帰って、同じ時間に床に着く。


 そんな毎日に飽いてしまったものだから、今日はこの毎日を粉々にしてしまおうと思い立った。いつもと同じ時間に起き、いつもと同じ時間に家を出て、そしていつもと同じ電車に乗って、けれど適当な場所で降車する。

 駅を出ると、今朝がたの雨粒を残した紫陽花が、日の光のもとに輝いていた。


 何かを変えられた気がした。

 そんな満足と共に、いつもと同じ仕事に手をつけた。

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