彼女のいない世界でボクは戦う

祭 仁

第1話序章

「いつも僕は不思議で仕方なかったんだ。主人公が世界を救いに行くような作品は多くあるが、世界を終わらせる作品は稀だ。僕はそんな稀なストーリを自分自身で書き上げたかったんだ。―――それも、実体験でね。」

「分からないな。生憎、俺は理想を語る犯罪者よりヒーローの方が好きだね。」

「君は既に僕の前に立っている時点で世界的なヒーローの仲間入りだ。おめでとう。

 しかし、残念なことに、君の英雄譚を後世に語る者は僕しかいない…そして、僕の理想は現実になり君は英雄史上初の世界の期待を裏切ることになる。」

「自信過剰な所は昔から変わらないな、関城せきじょう 正義せいぎ。」

「終わりにしよう、賢藤 けんどう まさる。」

 僕らが、闘うことは運命だったのかもしれない。

 これから書き残すのは、僕がまでに辿った経緯と結果である。

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