道しるべ
中学時代、大人達に反発する中、唯一話を聞いてくれる大人がいた。
保健室の先生だ。
50代近いおばちゃん風な先生、関西弁で元気いっぱいの先生。
たまにサボりだと分かっていても居させてくれる。
ヤンキーの先輩達も保健室でよく談笑していた。
何故だか分からないが、何か道しるべをくれるに違いないと思った。
すぐに中学校に電話し、先生にアポをとって中学校に会いに行った。
その先生は小林先生。
1年も経っていないが、懐かしい笑顔で柔らかく話を聞いてくれた。
先生は私の話を全部聞いたあと、薬物依存の恐ろしさと、
今までに見て来た他人の経験談を話してくれた。
結果、病院に通ってみるという方法を提示してくれた。
その病院とは、同じ中学の先生の奥さんが働いているという「精神病院」だった。
精神病院・・普通は嫌だ!と思うかも知れない。
でも私は違った。母も信頼していて何度か中学時代に相談していた小林先生が言うのであれば
精神病院に行く事で、離婚がなくなるかも知れないと思った。
またその精神病院も、一般の人が行きやすい部類の病院だという事だった。
さっそく母にも小林先生から説得してもらい、母と一緒にその精神病院へカウンセリングに行った。
そこで相談の結果、違う場所にある依存症専門の病院を紹介された。
結果、私は何ヶ月かその依存症の病院に通う事になった。
両親にも若干希望というのが見えたのかも知れない。
離婚の話は一旦なくなった様で、私は心底ほっとした。
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