高校生時代

高校1年生になった。

振り返れば、人生の岐路だったというか、一番悪い1年だった。


きっかけは本気の恋だ。


同じ高校ではない、年上の男性を好きになった。

初めての経験、初めての本気の恋。


片思いの時は楽しかったけど、

結果、フラれた時にヤケになり、あろうにもシンナーに手を出した。


シンナーといっても金物屋で普通に売っているニスだったと思う。

地元の金物屋でブラシなどと一緒に買い、自分の部屋で吸ったのが始まり。


初めは、痩せてフラれた奴を見返してやる。なんて理由だった。


そこから、毎日学校から帰っては一人部屋でシンナーを吸って時間をもてあまし、

心とは裏腹に身体はシンナーに蝕まれていった。


もちろん、いつでも止めれると思っていた。


そんな生活が続き数週間後、夜家の電話に友達から電話があった。

その頃は携帯はまだ普及していない。


母親が呼びに来て、私は慌てて対応したのだが、明らかに異変を感じた様で、

遂に親にバレた。


真面目な親からすれば、もうどうすれば良いのか分からないといった感じだ。

怒るというよりも、哀しみが伝わってきた。


父は初めて泣いたのだ、私を抱きしめながら。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る