週末の日曜日

父と母は仲が良かった。

それだけが、私の中で何か救いだった。


専業主婦の母は、さほど家庭的ではなく、料理が得意とか掃除が得意とかでは無かったと思う。

趣味という趣味もなく、友達も少なく、唯一の話し相手は母方の祖母と父だった。


日曜日は父が休みなので決まって買い出しだ。

近くのスーパーや時には遠くの大きいショッピングモールに行く。

服を買ってもらえるかも、とだいたい私も付いて行った。


ショッピングモールに着くと、

私と母の買い物はだいたい2時間、その間父は決まってTVコーナーでゴルフを見ていた。

その後合流し、一週間分の日用品や食料を買い込み、帰宅した。

あたりまえの週末だ。あたりまえの様に思っていた。


今の私は仕事人間、未婚なのでこう思う。


平日は夜22時頃まで毎日仕事、会社の業務、上下関係、その時代は残業なんてあたりまえ。

家に帰れば、母の子供に対するストレスは全てぶつけられる。


そして1週間に1度の休み。

ゆっくりと家でゴルフを見る間もなく、車の運転手。


自由な時間はたった2時間、ショッピングモールのTVコーナーの前だけ。


それでも父はその生活を何十年も続けている。

凄いな。世のお父さんは凄いな。


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