兄とミニ四駆

私の兄は3歳年上である。


小さい頃から私の遊び相手は兄であり、自慢の変顔や、ドラクエ好きは兄から学んだのである。

昔の兄はとても明るく、面白い兄であった。


兄は元々喘息持ちだった為、運動はあまり得意ではなかったが、勉強はそこそこだったと思う。

小学生の時、兄の友達から「天才の妹や!」と言われた記憶がある。


そんな兄は当時のブーム、ミニ四駆が大好きであった。


何個も器用に作り、早さを競う為に改造などしていた。


ある日曜日、何がきっかけか忘れたが父が兄に大激怒して兄の大事にしていたミニ四駆を

兄に当たらない様に投げつけた。


兄はその後、部屋の机に伏せて泣いていた。


そっと部屋を覗きに行くと、父が兄の横で肩を抱きしめ、どうやら謝っている様だった。


だったら最初から投げなければいいのに。。

そう思わずにはいられない、なんとも言えない場面であった。

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