小学生時代

私の家族は4人家族である。

父、母、兄、私。


父は役所勤めの公務員で、母は専業主婦。

今の時代から見ると、専業主婦でいられる家庭はとても恵まれていたのだろう。


しかしそんな事は何も分からず小学生の時、

共働きの両親をもつ鍵っ子の友達が、首からぶら下げている鍵を超カッコいいと思っていたのは、私だけでは無いはずである。


父の帰宅はいつも夜23時頃。


聞き慣れた車のエンジン音がすると、胸が騒ぐ。


何かと問題を起こす私を叱る母は、帰宅後の父にすぐチクる。

ドキドキしながら父の足音を聞き分けて、「ふぅ〜助かった・・」

と思う日もあれば、

足音が近づき、ドアが開くと眼力の強い父に一喝される事もある。


父の眼力は深い。


薄いブラウンの色付き眼鏡はさらに眼力を深くさせる。


あの眼には逆らえない。


そして低く1本通った声。


私の声が低いのは、遺伝なのか。


そしてこの奥二重も。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る