束の間の再会

感動的な出会いを果たした麗奈と彩花。

しばらく二人は抱きしめあっていた。

あの頃の懐かしい感じが蘇る…。

彩花に逢えたことで麗奈は幸せだった。


…そう幸せだった。幸せだったはずだった?彩花があんな事言わなければ…


『ところで麗奈ちゃーん…』


「…ちゃん?…彩花どうしたの急に?」


『あら?…私が何を言いたいのかわかってるんじゃないの。麗奈?』


「………えっと、何のことかしら?」


小悪魔笑顔の彩花が麗奈に言いよる


『…ふーん。…あくまでもシラをきるつもりなのね』


「……」


…あ、やっぱり彩花、昌幸の事知ってるんだ。


…彩花、それ絶対怒ってるよねかなり、、、


…笑顔がとっても怖いよ…どう弁解すればいいの?


二人の間に数秒の沈黙が訪れる。


『…それで、ゆっくんとあなた、一体何があったのかしら?』


…ゆっくん?へぇー彩花、昌幸先生にそんな呼び方してるんだ。


「あの場所にいたの彩花…?」


『いなかったわよ、だから何があったか聞いてるんでしょ。もし私がいたら二人とも呪い殺してたわ』


…そんな可愛い笑顔で物騒な事言わないでよ彩花。逆に怖いから。


…でも、見られてないのならまだ誤魔化せないかしら


「だったら、先生と私に何かあったかなんてわからないんじゃ…」


『そんな事言っちゃうんだ麗奈。強くなったものねあなた』


「そんな…、私はただ見ていないのなら…」


麗奈の反撃はそこまでだった。


『…先生と女子生徒が二人で夜中の学園で何を?それに、さっきからあなた先生の名前ずっと叫んでたわ。

……麗奈、私がまだ笑顔な内に素直に白状した方がいいと思うけど』


「………」


…無理だやっぱり彩花には隠しきれない。

笑顔の可愛いらしい天使はその様相を悪魔に変え始めている。


『…そっか、まだ話してくれないのか。私は悲しいな昔はあれだけ仲良かったのにね麗奈。

…でもね麗奈。知ってる?今のあなたから先生と同じ匂いが体中からしてるんだけど気のせいかしら?』


…あや、怖い、怖いからもうやめて。

…それに匂いって何よ?私そんな臭いの?


「彩花、話すから怒らないで聞いて」


『大丈夫よ怒りはしないから』


「先生とはBまで」


『B⁉︎』


…あれは絶対Bよ、Cまではいかないはず。だから彩花、許して。私を呪わないで!


『ふーんBか、Bねぇ。 ………麗奈もちろんだけど詳しく教えてくれるのよね。…そのお話』


「……はい」


…はぁ昌幸、私もう帰れないかもしれない。ごめんね。


…でも心配しないで、後からすぐ二人で迎えに行くことになると思うから…それまで我慢してね。


無表情のまま淡々と話す彩花を見た麗奈は死を覚悟すると今までにあった事全てを彩花に話し始めた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る