掌編集:300字SSポストカードラリー
小田島静流
テーマ:手紙 「手紙の木」
オフィス街の外れ、細い路地を何度も曲がってようやっと辿り着くような、そんな辺鄙な場所に、問題の公園はあった。
背の高い建物に囲まれ、日中でも薄暗い公園。遊具は謎の動物オブジェと砂場のみ。あとは小さなベンチと、そして一本の木。
四角く切り取られた狭い空に向かって悠然と枝を伸ばすその木には、 一枚のプレートがかけられていた。
「――『手紙の木』?」
木の種類なのか、それともなにか謂れがあるのか。
手掛かりを求めて通い詰めるうちに季節は移りゆき――そして秋。
ひらりと舞い落ちてきた葉っぱを手に取れば、そこには一言。
―ネグセ ヒドイヨ―
葉脈で綴られたその文字に、がっくりと肩を落とす。
「手紙でわざわざ伝えることかよ!?」
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