第18話  森の賢人 アシュリー

私は森の賢人こと、魔人アシュリー。

超絶美白美少女なだけでなく溢れんばかりの知性を備えた、今世の最高傑作のアシュリーとは私の事です。

世界でも珍しい「太古の秘術」を扱える、崇高なる存在の魔人様です。

姓や所属名ですか?そんなもんニンゲンじゃないんだから、あるわけじゃないですか。

まぁ敢えてニンゲン風に名乗るとしたら、アシュリー・正妻・魔王専用とかですかね、ウヘッヘ。



普段はこの広大で豊かな豊穣の森の管理をしています。

管理と一言でいっても実に大変なのです。

様々な木々の健康状態や、種族の安定、侵入してきた魔物や魔獣対策、荒らしに来たニンゲンの撃退などなど、それはもう目が回る忙しさです。

今までは一人で対応してたんですけど、今はアルフにも手伝ってもらってます。



だってアルフってばずるいです。

何かの加護が働いてるらしく、暴れ者でわからずやの魔獣達がとたんに大人しくなるんですよ。

この前のグレートウルフなんか飼い犬のようにお腹見せてましたからね。

私相手だったら、機嫌が悪けりゃ飛びかかってきますよ、群れて襲ってきた時なんか最悪でしたね。

なので、そんな不思議な力を持ってるアルフに手伝ってもらってるんです。



でもアルフと私はまだ主従というか友人関係というか、友達以上恋人未満というか??

まぁそんな曖昧な関係ですので、いつまでも手助けしてくれる保証はありません。

だから正妻のポジションが欲しい訳です。

私の魅力でアルフを夢中にしてムラムラムッハーさせたい訳です。



それに子供ができたりしたら、もう盤石ですしね。

揺るぎない奥方という立場と、さらに加護を持った子が生まれるんですから。

私が持つ知性や秘術と、アルフのもつ加護と膨大な魔力を引き継いだ子なんて、素晴らしいと思いません?

そんな子はきっと母様である私の役にたってくれるでしょう、森の仕事の半分以上受け持ってくれるでしょう、母様を楽させてくれることでしょう。



ああ、なんてバラ色で素敵なスローライフ。



でも肝心なアルフが手を出してくれないんですよねー。

もう何度迫ったか忘れてしまうくらいアタックしてるんですけど、全然なんですよね。

色々仕草とか服装とか研究してるんですけど、まだイマイチ効果がないんです。

ほんと、こんな垂涎の美少女が迫っているというのに何というヘタレ。



でもいいんです、私の事をチラチラ見てるのは知ってるんですから。

何気ない仕草のついでに私を見てるのは知ってるんですよーェへへーへー。

でもそろそろ正妻決定戦にも決着を付けたいんです。

いい加減女メンバーの中で私が一番愛されている事を知らしめてやるのです。

そんな訳で、今日はいつもより気合入れてますよ?



まず髪型、サイドで結んでうなじ全開です。

男って生き物は何故かうなじを見るとムラッとするみたいです、意味不明ですよね。

胸元もゆるい服に変えます。

そんで胸をこう形作って、服から胸の谷間が見えるのがいいらしいです。

こうやると男は辛抱できなくなって、顔を埋めたくなるんだとか、ただの脂肪の塊に。

それとこれ、めっちゃ短いスカート!

これを履いて下着を見せつけると、理性が吹っ飛んで野獣のようになると聞きました。

こんな布切れ見て何がいいんだかわかりませんが、それがもう打ち震えるほどに良いらしいです。



さっきグレン君で試してみましたけど、だいぶ顔真っ赤にしてましたね。

すごい照れちゃって・・・ほんとかわいいなぁグレン君は。



さ、本番ですよ。

今丁度邪魔者のエレナやリタが居ませんからね。

アルフが珍しく一人でお茶してます、グヘッヘッへ。

とても自然な動作で向かい側に座ってと。

それでゆっくりと、ゆっくりと足を開いて見せつけます。



どうですどうです?これがいいんでしょ?ホラ興奮しますよね?ズギャッと脳天に来ましたよね??



あ、そっぽむいちゃいましたね。

ここまでやってるのに不意にするなんてどんだけヘタレですか。

仕方ないですねー、もっと見やすくしてあげますか。

目の前にたってガバッとスカートを捲りあげました。

これで逃げ場はないですよ、早く野獣になっておしまいなさい。



「あのさ、アシュリー。」

「お、興奮しました?興奮しちゃいました?こんなことまで女の子にやらせるなんてー本当にヘタレなんですから。でもいいんですよ、もう野獣ですよね?荒ぶる獣のように私を無茶苦茶にしてしまうんでしょ?このどスケベ超人!あ、寝床の用意はもう済んでますよ、早いとこ邪魔が入る前に私と同衾・・・ゴッフ!!」



気がつくと陽が暮れてました。

おかしいです、ついさっきまでお日様が照っていたはずなのに。

側にいたリタに話を聞いてみると、ずっと白目を向いて鼻水を垂らしながら失神してたらしいです。机にもたれかかりながら。

またゲンコツあたりを頂戴して気絶してしまったらしいです。



あれはとても、女がしていい顔じゃなかった・・・とのことですよクッソゥ。



あーもうまた失敗ですか!

いつになったら私にどっぷりハマってくれるんですか!

そんな愚痴をこぼすとリタがぼそりと呟いてました。

あなたじゃあ、・・・無理じゃないかしら。



ムキー!そんなことないですよ、絶対私の魅力にドップリドボンにしてあげますからね!

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