十六夜姫 序章 ペーパームーン 

一葉(いちよう)

第1話 三日月中 一年月組 蒼井伊佐宵

 わたし蒼井あおい伊佐宵いさよ十三歳、この春に三日月中学に入ったばかりの一年月組(月組みって?宝塚?)。


背はクラス女子で一番高く(謹つつしんで御訂正致ごていせいいたします、男子も含めでございます)割と色白(私が好きな唯一の部分、お化けっぽくて)。


眉が太くクッキリしていて顔が面長のせいか顔がきついとか目がきついと影でこそこそ言われてる。

私としては一重まぶたと色白のせいでぼんやりした顔だと思うのだけど、(性格も)自分の顔のどこがきついのかよく分からない、友達もいないので理由も不明のままだ。


 私の名前なんだけど私が生まれて先祖代々の言い伝えだとかで(いつの時代か知らないけれど)十三代目の初めての子供の名前は男女にかかわらず十六夜という名前を付けることになってたらしい。


 だけど母が出生届の時に「いざよい」と読めるけど「伊佐宵」で届を出したので普段は「伊佐宵」で読まれ方は「いざよい」「いさよ」「いざよ」ひとによってまちまちだ、「おばけ」とか「ゆうれい」でも一向に構わないけど。


 

 入学式の今日から中学生活が始まった訳ではない、普通の子は今日から学校生活が始まるけど、私の場合は小学校から寮生活、両親健在、自宅は同じ町内にも関わらずだ。理由は追々ね。


 入学式の三日前から寮に入った、だから皆より三日前に中学生気分になった訳。


ただこの三日で、正確には入った日を除く二日間が最悪と言うか大変なことが立て続けに起こった。聞いてくれるかな。

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