木漏れ日は時として

まっさん

第0話 プロローグ

世界の終わり

それは誰もが想像し、望まぬ世界。しかしなぜか人の心に芽生える探究心。

自分には悪影響を及ぼしてほしくないが、関係のない場所で何か悲劇が起こればいい。

日々に少しの変化があれば・・・。


人間の根底には破壊衝動があり、ふとそう思うのは一人や二人だけではないはずである。

思えば、幼い頃に積み木を積み上げては、崩してまた積み上げてを繰り返し、崩す時の方が大きな快感を得られていたのは私だけだろうか。


1555年にかの予言者ノストラダムスが残した予言集が解説され、1973年に「ノストラダムスの大予言」という題目で発行された本は、記憶に懐かしい。

本の中には、1999年7月に恐怖の大王が舞い降りると記されているが、メディアなどでも散々取り上げられたのにもかかわらず、現在生きている人々は、その大王が襲来してこなかった事を知っているだろう。


しかし近年、その説が見直され、予言の時期が2190年頃ではないかと、研究者の間で騒がれている。

実は1999年に、人工衛星によって “ベンヌ”という小惑星が発見されていたのを知っているだろうか。


ベンヌは太陽の周りを6年周期で回っている小惑星であるが、重力等の関係により、ノストラダムスの予言が、新たに見直された時期に、数パーセントの確率で地球との衝突が予測できている。


到底寿命が続くはずもない未来の話、しかし、興味をそそられるのはなぜだろう。


私たちの知識欲は常に満たされず、何かを探し求めている。しかし、運命が誰かに決められているといたら、この衝動は何のために生まれたのか。


これは、今から約200年後の地球に、恐怖の大王が、絶望とともに舞い降りた物話である。

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