流転は風と
黄金に映えたる尖塔の
放した窓より抜け往く風
晩鐘を鳴らすは逸る木枯らしか
塔より剥がれ小径に降りた
蝶の片翼は
冬の先駆けに輪郭を授け
秋の骸に折り重なるは
豪奢の秋は寂寞の冬へ
久しからずに覇を譲る
華々と花より燃えし紅葉も
漫ろげに舞う今は落葉
ひらり、ひらりと戯れに
振り合う袖が奏でる離別
からり、からりと徒に
風が踵で蹴り上げた
乾いた鈴を転がすような
美しく掠れた葉擦れの輪舞曲
崩落の塔より退く白帝を
冬空よりの
生ける骸も眠りと朽ちる
斜陽の下で枯れにし墓碑は
来世に集う標となろう
静けさを率いて来たる幼き冬よ
秋の廃墟がきみの国
築けど崩れ積み上げられる
残骸ばかり礎に
輪廻の辻を光芒は往く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます