彩シ
溶けて、滲んで、柔らかな
鈍色の街を撫でる雨
慎ましい吐息のような静けさで
色を失くした空を溶かして滲む
暮れの赤より更けの黒
明けの白より晴れの青
水彩を重ねて移ろう空は
この街のどんな塗料にも真似られぬ
淡さと濃ゆさの同居した彩り
その鮮やかさを覆い隠して
空は街とひとつになろうとしている
然れど、異なれば同にはなれず
硬質な塗料で固められた街並みの上で
空の鈍はあくまで水彩のそれだった
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