聖・鬼松女学園 ~もうあの頃には戻れないの~
軽見 歩
第1話 生まれ変わった淑女たち
注意:この作品には災害などの表現が含まれます。それらが苦手な方は退出してください。
花も恥じらう大切な淑女たちを俗世の誘惑から引き離すため、東京都の日本本土から大きく離れた地図に載ってい孤島に作られた学び舎。
著名人や名家の令嬢の通う全寮制のこの学園でお嬢様達は――――
――――温室で花を愛で
「薔薇が綺麗ですわねお姉様!」
「ふふ、今度のお茶会はここでいたしましょうか」
「え!いいのですか!?」
「ええ、良くってよ」
「楽しみですわね」
――――動物達と戯れ
「よしよーし、良い子ねフランソワ」
「ねえ、久し振りにあちらまで競争しませんこと」
「乗馬なら負けませんわよ」
――――友と語らい
「いけませんわお姉様」
「あら、強引なのはお嫌い?それとも・・わたくしとではご不満かしら」
「そんな事は!んっ・・・・」
清らかな日々を過ごしていた。だが悲劇が起こった
―――クラゲの大量発生による海路が断たれ上に
「これでは船が来れませんわ」
「どうしましょう、お誕生日ケーキを作る予定でしたのに」
「海面を浮かぶクラゲの影響を受けない潜水艦なら心配ありませんわ」
「どうしましょう!あちらをご覧になってくださいまし!」
――――クラゲを狙ったクジラとダイオウイカが集まり、壮絶な格闘を繰り広げ
「あれでは当分、潜水艦も来れそうにありませんわね・・・・」
「元気をお出しになって!海路は塞がれてもまだ空路がありますわ!」
「でもお姉さま、飛行機では運べる荷物が少ないではなくて?」
「そうですわね・・・・。ん?何の音ですの?」
――――火山が噴火し空がガスで覆われ、航空機も近づけない状態に
「きゃあああああ!」
「屋内に避難して!早く!」
こうして完全に孤立した島でお嬢様達は生き抜く為に
慎みを捨て
木の根も食らい
泥水を啜りながらでも生き延びた
――――そして、あの惨劇から一年後
「ヒャッハー!水と食料をおよこなさい!」
すっかり野生化した彼女達は今日もたくましく生きていた
「じいや、種もみをおよこしになって」
「それでは明日からのお食事がッ。この種を育てなければこの島の食糧が!未來が!」
「お黙り!作物を育てても他のメス豚共に荒らされるのが落ちですわ!今日を生き延びなければ何にもならないの・・・・明日よりも今日、明日を夢見てたら今日を生きられないのよ!!」
「お嬢さまぁあああぁぁぁぁ!」
あの事件は淑女達の心に大きな爪跡を残していた。花を恥じらうどころか親も娘を恥じて世間の目から隠す様にこの学園に隔離した
一部ではこの学園をこう呼ぶ――――
――――世紀末女学園と
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