嘔吐

在世と来世の垣根を超えた、不吉な塊

耐性のない私は、快晴の空に憂いて

白色矮星のような眩しさの中、

ただの背景へと成り下がる


 恒常的な吐き気 絶え間ない吐き気


廃園の夏草の表面で、

針目みたいな朝露は輝いていた

相対的に私は暗くくすんでいた

差異性の波が襲いかかる


 逃避的な吐き気 自分勝手な吐き気


―― 血液に憂鬱が混入

   私の血管の中を奔流

   内臓にくを巡った

   内臓にくを抉った

   心臓こころにたどり着いた

   心臓こころに住み着いた ――


私は何がしたかったのだ?

私はただ、吐き出したかっただけ

暗くて重い、この塊を

辛くて痛い、このわだかまりを


“寂しい”を凝結させたような、この感情を


吐き出したいのは嗚咽じゃない

――こんな憂鬱きもち、消えてしまえ

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