死刑執行待ちみたいだ

ある朝、

不気味な音が僕の目を覚まさせた

やけに空気の冷たい朝だった


『ミサイルが発射されました』

ニュースキャスターが慌てた様子で言う


( ある朝、

  ミサイルが飛んできて


  ある朝、

  何度目かのミサイルで落ちてきて )


ある朝、

僕らの頭上をミサイルが飛んでった

やけに空気の静かな朝だった


『いつ落ちてくるか分かりませんね』

コメンテーターがロボットみたいに言う


( ある朝、

  一発のミサイルが爆発して


  ある朝、

  僕はもういなくなっていて )


ああ、

もうすぐ僕は、

死んでしまうのかな


そうやって、

手招きしてる"終わり"に

怯えていた

震えていた

恐怖していた


ああ、

これじゃあまるで、


――死刑執行待ちみたいだ


そんなこと、考えたくもないな

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