夜のお散歩

夜のお散歩

あまりの暗闇にぽかんと

人工的な光などは無くて

遠くに見える光の欠片たちだけが私を照らしました

まるで人間が消えた後の夜

(もしも明日、世界が終わるとして)

そんなことを考えた、夜のお散歩


私の誤算と、

私を襲う春の余寒と

薄着の季節はまだ遠くて

鳥も虫もまだ静かに眠ります

冷たくて、真っ暗で、静かで

(もしも明日、私は死んでしまうとして)

そんなことを考えた、夜のお散歩


錆びたトタンも、

そこに咲く春牡丹も

どこか寂しさをかもし出していて

私もどこか寂しさを感じながら

それでも歩む足は止まらなくて

(明日が来なければいいのに)

そんなことを考えた、夜のお散歩でした

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