第17話とある地下の感染者
落ちましたね。随分と。正直肝を冷やしました。
はい!みなさんこんにちは、こんばんわ。ヴァニタスです!正直スキルなのにびびりましたね、あのクソヤロウどもにモンスターの盾代わりにされたのには本当に腹が立ちました。
まぁ丁度よく地割れの穴ができたので足を滑らせたふりして入りましたけど。今はスキルでも私は依り代と感覚を共有してるんですからね?びびりますよ?
ヴァニタス、いつも思ってるんだけど君は誰に話しかけてるんだい?
え?内緒ですよ?気にしない気にしない。
はぁ、所でこっちであってるのかい?暴食のカケラは?
えぇ、こちらから私のカケラの気配がします。この道を右ですね。
そろそろ向かってくる魔物がうざったいからなんとかしてくれないか?
自分でも対処できるでしょうに、分かりましたよ。じゃあ私が周囲の魔物に対して幻覚でも見せときますね。
ありがとう、これからも頼りにしてるよ。
全く、調子いいんですから。…はい、これで周囲の魔物には幻覚が見えてる筈ですよ。
うん、じゃあ暴食の所まで急ごうか。
…地割れ、またですか?しかも誰か落ちて来ましたし。助けますか?
いや、面倒臭いから放置で、このまま寝てるなら魔物に食われて死ぬだろうし、起きたら自力でなんとかするだろ。
ふふっ、ほんとに無責任で何事にも興味を持たない人ですねぇ。ほんとに人ですか?私より酷いじゃ無いですか。
人だよ。興味が無くても欲はあるからね。主に睡眠欲が。
そうでしたね。地球でも寝てること多いですもんねぇ。…あ、さっき落ちてきた人、目が覚めたみたいですよ?こっちに気づきましたし。
ふーん、面倒臭いな。…わざわざ走ってくることも無いだろ。
「あれ?日高君?なんでここに?」
日高さんですか、ステータスは平均値でも、抗体持ちなんですよね。この人に今の私じゃあ幻覚見せられませんよ?
…だろうね。まぁ、適当にそらすから。
「さぁ?どうしたんだろうね。なにか怖い思いでもしたんじゃ無いかい?」
これでは、あまり意味ないでしょうに。
いいよ、どうせすぐに離れるんだから。それよりこの先だろ?暴食は。
はい、次の分岐を左ですね。その先にあるはずです。
…ねぇ、扉があるんだけど。
えぇ、カケラがどうなっているかは私でも分かりませんよ?
あ、開いたし、奥にいるのはスライムか?
そうですねあのスライムから暴食の気配がします。それにしても本当にラッキーでしたね。初めに見つかるのが暴食なんて。
そうだな、所であいつ魔王が、複数いるって言ってたけどまさかそいつらがカケラ持ってんじゃねーよな?
いえ、恐らく持ってるのでしょうね。私が作った魔神に、カケラを持たせてからどうなったのか分からないので、これで探しやすくはなったんじゃ無いですか?
うわ、面倒くさ。しゃーない、これからは魔王巡りか。あっ、あいつこっちの近くに来ちゃったんだけど幻覚見てんのか?
あー。見ちゃってますね。ていうか、龍忌
さん面倒臭いどころか笑ってるじゃないですか、。あ、首元についてる結晶がカケラですので飲み込んで下さい。
あと六つか、まだまだだな。
暴食があれば楽になりますし、これからはさくさくいきましょう。そこで尻餅ついた日高くんはどうしますか?
しゃあないからこいつだけ入り口に、送り返すぞ。この地下から監獄塔まで繋がってんだろ?
えぇ、ここよりさらに下に監獄塔まで繋がっている洞窟がありますね。
なら、そっちから向かった方が手っ取り早いか。じゃあ一緒に乗るふりして送り返したらここ壊してさらに下に向かうぞ。…よし、送り返したあとはどうすりゃいい?
暴食が手に入りましたしさっき喰ったスライムと同じように地面を喰らって穴を開けた方が早いかと思いますよ?
じゃあそうするかついでにこのダンジョンを穴だらけにすりゃ崩れるよな。
はい蜂の巣みたいにしてやりましょう。
あー、お前といるとやっぱ飽きんね。
お、褒めてくれるんですか?これはもう結婚ですね、
やっぱ無し
えぇー、ごめんなさい許して下さい結婚して下さい。
変なのまじってんぞ。はぁ、とっとと行くぞ。
はい、それでは皆さんごきげんよう。
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