第3話 メイドのシオン

 「私の名前はシオンです、これからよろしくお願いしますね。では、ついてきて下さい。」


 シオンと名乗ったメイドは中性的な顔立ちをした、身長160ほどの可愛らしい女性だった。俺の身長が170程なので少し小さい位なのでさらに可愛く見える。


 そのままあとをついて行き部屋の前まで案内された。周りを見れば似たような扉が等間隔で配置されていたので、他のクラスメイトも似たような部屋に案内されたのだろう。


 扉を開けるとまずとても柔らかそうなベッドが目についた、飛び込んでみたい衝動を抑えながら部屋を見ているととても落ち着いた雰囲気の部屋になっていた。


 「それでは勇者様、何か質問はありますか?」


 シオンにそう聞かれたので王様に聞けなかった事を少し質問してみた。まずこの世界にギルドはあるのか、これに関しては異世界物なら行ってみたいよな、あわよくばテンプレにあってみたいと言うのが本音だ。次にこれからの予定についてだ、これには驚いた。最初に残るか帰るかの質問を受け答えしたあと希望者を聞きいきなりダンジョンに行くとか言いだした。何でもそのダンジョンは城の近くにあり王様が若い頃に踏破したものらしい、踏破したときにそこのダンジョンマスターになったようでそのダンジョンの設定を変える事が出来るそうだ。


 王様意外とすごかったな。


 ダンジョンでLvをあげた後に街へ行くらしくなぜその順番なのかを聞くとお金を持たせて自由行動をさせるつもりだが、柄の悪い連中も居るらしくそういった奴は勇者ならLv5程度のステータスで撃退出来るそうだ。護衛とかはつけてくれないんだな。


 「社会見学っぽいな。」


 「そうですね。まずはこの国がどういったところなのかを悪いところも含めて実際に見せたいそうです。綺麗な部分をだけを見せてもその人によって価値観が違いますからね、例えば異世界の方は奴隷制度を認めたくない人が大半ですがこの世界では普通ですし。」


 「へぇ、王様意外と考えてるんだな。そういえばその奴隷の価値観を知ってるって事はクラスの誰かから聞いたのか?」


 「はい、パーティーの時に王様がナオキ様から奴隷制度があるかなどを色々聞かれたそうですよ、そのときに異世界とこの世界の違いが多々あることに気づきこういった予定になったようです。」


 ナオキか、確か遠藤直樹だったな。いつも菊谷一樹と紀村美紀でつるんで村神龍忌だったかな?を虐めてる奴だったか、そこまで酷いものでは無い様子だったが、実際どうなのかは本人にしか分からないよな。


 「勇者様、他に質問はありますか?」


 「その勇者様って言うのを、止めて欲しいかな、俺は日高翔だ。翔と呼び捨てで良いし言葉遣いも崩して暮れた方がありがたいかな。」

 

 「…わかったわ翔、ただし二人の時だけね、人目がある場所だと変な勘ぐりされるかもしれないし勇者様になんて口を!みたいな感じで私が影で怒られそうだから。」


 「わかった、それでいいよ。よろしくねシオン。」


 「えぇ、よろしくね翔。」


 そしてシオンが部屋を出るのを確認したあとすぐにベッドへ飛び込んだ。


 だってやわらかそうなベッドには飛び込みたくなるだろ!、えっ、ならないの!?寝具はしっかりしてないと疲れとれないぜ!


 翔はベッドの上でもう一度ステータスを見ることにした。念じると目の前に半透明の板のようなもの…これからはステータスと呼ぼういちいち長いし、そのステータスには初め見たときと変わらない文字と数値が書かれてい…え?…

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